購入した品物が届かない…債務不履行での請求はできる?

この記事で分かること
  1. 債務不履行には「履行遅滞」「履行不能」「不完全履行」の3つがある
  2. 債務不履行の分類によって相手方への対応の仕方は異なる
  3. 被害に遭ったときには、泣き寝入りせず弁護士などの専門家に相談することが大事

ネット通販などで買った品物が届かないことは、決して珍しいことではありません。そういったトラブルに巻き込まれた場合は、状況によりとれる対応策や流れが違ってきます。まずは専門の弁護士に相談して、解決を目指しましょう!

売買取引時に起こりうる債務不履行などのトラブル

「インターネットで仕事に必要な物を注文したのに、いつまで経っても品物が届かない。」このようなトラブルは、消費者である私たちには誰でも起こり得ることです。ではどのように対応したらいいのでしょうか。基本的なことから解説していきます。

トラブルは「約束を守ってもらえなかった」から始まる

仕事用に頼んだ品物が期日までに届かないと仕事に支障が出たり、お金のことも心配になったりします。「代金と引き換えに商品を送る」という約束を守ってもらえないことは法律上「債務不履行」にあたりますが、債務不履行の種類によって対応策も違ってきます。

「約束を守らない」=債務不履行

物を買った場合、買主はお金を払う約束(=債務)をし、売主は契約通りに品物を引き渡す約束(=債務)をしたことになります。こういった取引は、ネット通販だけではなく、仕事上の商品の納入から個人の土地売買にまで幅広く行われています。この約束を守らないことを「債務不履行」と言います。

債務不履行にあたるケース

約束である債務を実行しないことを債務不履行と言います。例えば土地を購入したのに売主が土地を引き渡さなかったり、逆に買主が代金を支払わなかったりするケースがこれに該当します。

債務不履行には3つのカテゴリーがある

民法では、債務不履行として「履行遅滞」「履行不能」「不完全履行」の3つのカテゴリーが定められています。このうちのどれに該当するかによって、その後にとれる対応策が異なってきます。

3つのカテゴリーはどんなもの?

債務不履行の3つのカテゴリーは以下のようなものになります。

①履行遅滞 履行ができるのに正当な理由なく期限までに履行をしなかった場合。
例)品物を引き渡す日をうっかり忘れていて期日までに届けられなかった。
②履行不能 契約後に債務者の事情で履行が不可能になった場合。
例)注文を受けた後に不注意で店が火事になり、品物が燃えてしまった。
③不完全履行 履行はしたが不完全だった場合。
例)頼んだ品物は届いたが、そのうち半分が壊れた状態だった。

天災が原因の場合は債務不履行に当たらないことも

基本的にどのカテゴリーも、故意や過失によって履行がなされなかったことが損害賠償などの前提条件となります。ただし地震などの天災は故意も過失も存在しないため、債務不履行には該当しないことがあるので注意が必要です。

ワンポイントアドバイス
注文した品物が届かない場合は、相手方(お店)は買主との約束を破ったことになり、通常は債務不履行による責任を負わせることができます。ただし、地震などの天災による債務不履行が生じたときには、相手方に非はないので責任を追及できないこともあります。

債務不履行にあってしまったとき、どうのように請求するか

債務不履行にあってしまったときには、主に契約の解除と損害賠償を相手方に求めることができます。契約の解除をすると、代金の返金を請求ができるようになります。一方、損害賠償請求は、債務不履行と損害の因果関係があれば可能です。

債務不履行の種類によって相手方への対応方法は異なる

債務不履行がどのカテゴリーに入るかによって、契約をなかったことにする契約解除のための手続きが違ってきます。基本的に契約を一方的に解除することはできませんが、約束が果たされる可能性がなくなってしまった場合などは事情が異なります。

  • 履行遅滞の場合
  • 「今更」では意味がない場合は例外
  • 履行不能の場合

履行遅滞の場合

期限になっても履行がなされない履行遅滞の場合、まず一定の期限を定めて店側に引き渡すよう請求する「催告」をしましょう。さらにその期限を過ぎても履行されない場合は、契約の解除と支払った代金の返還請求ができます。元々履行の期限を設けていなかった場合は、催告をしたときから履行遅滞になります。

「今更」では意味がない場合は例外

民法上、催告してから契約解除するのが基本ルールですが、「定期行為」という日付が重要な取引の場合は催告なしで契約解除が可能です。例えば、誕生日のケーキを注文したのに、誕生日までに届かなかったというケースがこれに該当します。

履行不能の場合

売主の事情によって履行ができなくなった履行不能の場合は、催告をしても意味がないため、直ちに契約解除となります。例えば、お店が火事になって品物が燃えてしまった場合、早く引き渡すように催告をしても品物がないため届けることが不可能となるので、お店に対して契約解除をすることができます。

損害賠償は因果関係がカギ

約束が守られなかったことで損害を被ってしまった場合、賠償を請求することができます。ただし、債務不履行と損害の相当因果関係がなければ賠償請求はできません。常識的に考えて、債務不履行から生じた損害が対象となります。

「因果関係がある」と言えるケース

債務不履行と損害との因果関係があるケースとしては、例えば、
「購入したマンションの引き渡しが遅れ、以前の家を引き払ってしまっていたのでしばらくホテル暮らしになり、高額な宿泊料がかかった。」
というような、一般的に想定しうると言えるケースになります。

因果関係が認められにくいケース

逆に、因果関係が認められにくいものとしては、
「マンションに入居できないことで夫婦仲が悪くなり、離婚した。」
といったケースがあげられます。マンションの引き渡しが遅れることで離婚をするとは、通常は予想できないためです。

ワンポイントアドバイス
相手方の債務不履行によって損害を受けたときは、契約解除もしくは損害賠償請求ができますが、損害賠償請求はできるときとできないときがあることに留意しておきましょう。

債務不履行には毅然と請求しよう

債務不履行は故意や過失で起こりますが、業者によってはきちんと対応してくれなかったり、連絡が取れなくなったりすることもあります。相手の言いなりになったり、損をしたりすることのないよう、取りうる対応策について知っておきましょう。

自己防衛策と事後対策について知ろう

約束を守ってもらえない場合に生じる債務不履行ですが、売主は元々、約束を守るつもりはなかったかもしれません。まずは自己防衛策をとってトラブルが発生しないようにして、それでも何らかの問題が起こってしまった場合は毅然と対応するようにしましょう。

注文前に売主について情報収集する

ネット通販を利用して品物を注文する場合、売主のことを少しでも調べてから注文しましょう。お店の対応や品物の発送の仕方に関する口コミの評価を見たり、サイトに書いてある連絡先が本物か電話をかけてみたりして、信頼できる売主かどうかを検討してみることが大切です。

売主と連絡がとれなくてもすぐに諦めない

品物が届かず売主とも連絡がとれなくなったり、送った書類が返送されてきてしまったりした場合、「騙されたかもしれない」と考えてすぐに諦めるのはよくありません。警察への被害届の提出や、弁護士への相談など、対策方法はいろいろあります。

トラブルにあったら弁護士などの専門家を頼ろう

普段の生活のなかで、損害賠償など法的手続きをしたことがある人は多くないと思います。トラブルにあった場合、まずは消費者問題に詳しい弁護士などの専門家や、消費生活センターなどの専門機関に相談して対応を検討しましょう。

トラブルを1人で抱え込まないことが大切

取引でのトラブルは金銭的だけではなく精神的にも被害を受けてしまうことがあります。きちんと被害を回復できるケースもありますので、一人で悩んで抱え込まないようにしましょう。

損害賠償できるかどうかの判断は難しい

損害賠償請求が認められるだけの因果関係があるかどうかは、法律をよく知らない素人にとっては判断が非常に難しいものです。消費者問題に詳しい弁護士であれば、豊富な知識や経験、過去の判例などから判断して、できる限り被害が回復できるようサポートしてくれるでしょう。

ワンポイントアドバイス
買い物でトラブルに遭ったときには、すぐに消費者問題に詳しい弁護士に相談しましょう。弁護士がバックについていると相手方にわかれば、こちらの本気度が伝わり、相手方もきちんと対応してくる可能性が高まります。

債務不履行などのトラブルは弁護士に相談を

「債務不履行」と聞くと難しい印象を受けますが、実は誰にも起こり得ることです。実際にどう対応したらいいのかは個々のケースで違ってきます。トラブルになったらまずは消費者問題に詳しい弁護士に相談し、一緒に対応してもらうのが最善の策です。

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