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浮気や不倫が原因で離婚!慰謝料を請求する際のポイントとは

この記事で分かること

  • 浮気や不倫が原因で離婚する場合には浮気をした配偶者に対して慰謝料の請求が可能
  • 慰謝料を請求するには相手が浮気をした証拠集めがカギとなる
  • 相手の浮気を証明する有力な証拠を集めるには、離婚問題に強い弁護士への依頼がポイント

浮気や不倫による離婚では、その行為をした配偶者に慰謝料を請求することができます。慰謝料を請求するには相手が浮気をしたという有力な証拠を集めることが必要です。離婚問題に詳しい弁護士に相談して、しっかり慰謝料を請求しましょう。

浮気や不倫が原因の離婚

夫婦が離婚に至るまでには様々な原因がありますが、浮気や不倫もそのうちのひとつです。相手の不貞行為は民法で定められた離婚原因として認められる事項であり、浮気をされた側は慰謝料の請求をすることが可能です。

浮気や不倫は法律違反?

浮気や不倫のニュースはテレビや週刊誌などのメディアでも頻繁に取り上げられています。浮気をした側にとっては「たかが浮気」かもしれませんが、された側にとっては配偶者としての権利を侵害されたことにもなり得るのです。

浮気や不倫は夫婦の義務違反

夫婦には同居して互いに協力扶助しなければならない義務があります。また、この義務には貞操義務も含まれています。貞操義務とは夫婦が互いに性的な純潔を守る義務のことで、守操義務、誠実義務とも呼ばれています。浮気や不倫は夫婦間の義務違反になるのです。

浮気や不倫を罰する法律は存在しない

現在の日本では、浮気や不倫をしたからといって刑事罰が科せられることはありません。かつては「結婚している女性が夫以外の男性と性的な関係を結んだ場合に処罰される」姦通罪が刑法で定められていました。しかし、男性が妻以外の女性と性的な関係を持っても処罰されることはなく、男女不平等であるという理由から現在ではこの法律は廃止されています。

浮気や不倫は不法行為?

浮気や不倫という法律用語はありません。しかし、肉体関係を伴う浮気や不倫は法律上の不貞行為に当たります。浮気や不倫をした側とされた側で解釈の違いはありますが、次の民法の規定は不貞行為にも当てはまると考えることもできます。

第709条:故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
第710条:他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の存在に対しても、その賠償をしなければならない。

浮気や不倫を原因に離婚の請求ができる

配偶者の不貞行為は、民法で定められた法定離婚原因です。不貞行為には浮気や不倫行為も含まれます。浮気をされた側は、相手の浮気や不倫を原因に離婚を請求することができます。

法定離婚原因

離婚訴訟では、民法で定められた離婚原因がないと離婚が認められません。これを法定離婚原因といいます。法定離婚原因には次のような事項があり、配偶者の不貞行為も含まれています。

  • 配偶者に不貞な行為があったとき
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

離婚原因があっても離婚が認められないケース

上記のような離婚原因があっても裁判所が「一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるとき」は離婚請求が棄却されるケースもあります。不貞行為である浮気や不倫は法定離婚原因ですが、相手が浮気をしている証拠を提示できないと離婚が認められない場合もあります。

ワンポイントアドバイス
肉体関係を伴う浮気や不倫は法律上の不貞行為です。離婚訴訟では民法で定められた離婚原因がないと離婚が認められませんが、不貞行為はこれに含まれます。浮気をされた側は、配偶者の不貞行為を理由に離婚を請求することができるのです。

浮気や不倫が原因の離婚慰謝料の請求

配偶者の浮気や不倫が原因で離婚に至った場合には、慰謝料を請求することができます。離婚の慰謝料を請求する相手や方法について詳しくみていきましょう。

浮気や不倫が原因の離婚は慰謝料の請求が可能

離婚慰謝料は相手の有責行為によって離婚となった場合に、その精神的苦痛に対して支払われます。有責行為には暴力や虐待のほか、不貞行為や生活費の不払いなどが含まれます。

離婚の慰謝料には二種類ある

離婚の慰謝料には、二つの種類があります。一方は浮気や暴力などの離婚に至った行為によって生じる精神的、肉体的苦痛に対して支払われる慰謝料です。もう一方は離婚をすること自体による精神的苦痛や生活への影響に対して支払われます。

配偶者に請求する慰謝料

浮気や不倫が原因で離婚する場合には、配偶者に対して慰謝料を請求することができます。この場合の慰謝料は、離婚に至った行為によって生じる精神的苦痛に対する慰謝料と離婚そのものによる精神的苦痛に対する慰謝料の両方です。離婚まで決意していない場合には、離婚そのものから生じる精神的苦痛に対する慰謝料を請求することはできません。

浮気相手に請求する慰謝料

浮気や不倫には、当然第三者となる浮気相手が存在します。この浮気相手と配偶者は共同で夫婦間の貞操義務を侵害しているため、浮気相手にも慰謝料を請求できるのです。ただし、配偶者が浮気相手に対して自分が独身であると嘘を言い、浮気相手がそれを過失なく信じていた場合などは慰謝料の請求が困難なケースもあります。

慰謝料請求の方法

慰謝料を請求するには、いくつかの方法があります。具体的にどのような方法があるのかみていきましょう。

話し合いによる請求

話し合いができる状況であれば、まずは配偶者や浮気相手に直接慰謝料を請求します。この場合、メールだと返事が来ない、電話だと途中で切られてしまう可能性もあります。自分を傷つけた相手と顔を合わせたくないかもしれませんが、できるだけ面と向かって話し合った方が良いでしょう。

内容証明郵便

配偶者や浮気相手と直接話したくない場合や相手が話に応じない場合には、内容証明郵便で慰謝料を請求することもできます。内容証明郵便とは、どんな内容の手紙をいつ相手に出したかを郵便局が証明してくれるサービスです。書面により明確な主張が伝えられるほか、相手に心理的な圧迫を与える効果もあります。

調停、裁判による請求

内容証明郵便を送っても相手が応じないケースもあります。そのような場合には慰謝料請求調停を家庭裁判所に申し立てることも可能です。調停でも話し合いがまとまらない場合には、訴訟を提起して裁判で慰謝料を請求することになります。

ワンポイントアドバイス
浮気や不倫が原因で離婚する場合には、その行為をした配偶者に対して慰謝料を請求することができます。慰謝料は相手に直接請求することもできますが、困難な場合には状況に応じて内容証明郵便や調停、裁判を利用することも可能です。

浮気や不倫が原因で離婚慰謝料を請求するポイント

浮気や不倫が原因で離婚となった場合には、被った精神的苦痛に見合うだけの慰謝料を受け取りたいものです。納得できる慰謝料を請求するにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。

慰謝料請求には証拠集めが重要

慰謝料を請求するには、配偶者が浮気をしていたという証拠が必要です。証拠の有無によって慰謝料の額はもちろん、請求が可能かどうかも変わってきます。証拠集めは徹底して行うようにしましょう。

証拠集めは離婚及び慰謝料請求のカギ

浮気や不倫が原因で離婚する場合、相手の行為を立証する証拠は大変重要です。有力な証拠
は、協議離婚の場合に配偶者を説得する材料になるほか、調停や裁判でも判決を左右するカギになります。逆に証拠が提示できないと慰謝料の請求だけでなく離婚を認めてもらえない可能性もあります。

有力な証拠となる物とは

浮気の有力な証拠となる物には、配偶者と浮気相手がラブホテルに出入りする姿を写した写真や浮気現場の写真、音声データなどです。携帯電話の通信履歴やメールも残しておいた方が良いですが、それだけでは十分でない可能性もあります。できる限り浮気をしたことを明確に証明できる写真、音声を集めるようにしましょう。

一歩間違うとプライバシー侵害にも・・・

ただし、ラブホテルの前で長時間の張り込みをするなどの行為は負担も大きく危険です。このような行動は一歩間違えると相手からプライバシーの侵害だと訴えられる可能性もあります。弁護士を通して探偵事務所を紹介してもらうなどプロに任せた方が良いでしょう。

その他に重要となるポイント

物的な証拠の他に、慰謝料を請求する上で重要なポイントはどのようなことなのでしょうか?納得できる額の慰謝料を受け取るためにも参考にしてみてください。

詳細なメモを残す

配偶者の浮気や不倫が原因で離婚を決意したら、証拠になり得る情報をメモや日記で残しておくことをおすすめします。できれば浮気相手とのメールのやりとりや外出を日時と共にまとめておくと良いでしょう。その際の自分や家族の気持ちも一緒に記録しておくと、より調停委員や裁判官の心を掴むことができます。

夫婦関係が破綻していなかったことを証明する

浮気前から既に夫婦関係が破綻していた場合には、慰謝料の請求が認められないケースもあります。浮気行為の前後にも夫婦関係が円満だったことが分かる写真などの証拠を示せれば調停委員、裁判官へのアピールになります。

自分の落ち度を作らない

「家事をしない」「子どもの面倒をみない」など自分の側にも落ち度があると、それを理由に相手が慰謝料の支払いに応じない、または減額を要求してくる可能性があります。そのような主張を相手にさせないためにも、普段から家事や子どもの世話などをしっかり行うようにしましょう。

弁護士に依頼すれば慰謝料増額の可能性が高まる

浮気や不倫が原因で離婚をする場合、弁護士に依頼をすると慰謝料が増額する可能性が高くなります。離婚問題の経験豊富な弁護士に相談して、できるだけ高額な慰謝料を受け取るようにしてください。

浮気や不倫の証拠集めは素人には困難

浮気や不倫の証拠は慰謝料を請求する上で非常に大切なものとなります。しかし、浮気現場に張り込んで写真を撮ったりするには大変な労力が必要です。相手に気づかれずに尾行をすることなども素人には困難でしょう。離婚問題に詳しい弁護士に相談してプロの探偵を紹介してもらうことをおすすめします。

慰謝料の相場は幅広い

慰謝料には明確な基準がなく相場は幅広く設定されています。そのため、証拠の提示や主張の仕方などによって慰謝料の額が大きく変化する可能性があるのです。離婚問題に精通した弁護士に依頼すれば有力な証拠集めはもちろん、調停や裁判でも説得力のある主張ができる可能性が高くなります。

ワンポイントアドバイス
浮気や不倫が原因で慰謝料を請求するには、相手の行為を証明する証拠を揃えられるかが重要です。浮気現場を押さえた写真など素人に困難な証拠集めは、離婚問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。

配偶者の浮気による離婚は大変な精神的苦痛を伴います。その精神的苦痛を少しでも和らげるためにも、弁護士などの専門家にアドバイスをもらいながら正当な額の慰謝料を受け取るようにしましょう。

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