離婚したいならまず別居!離婚に別居がおすすめな理由

この記事で分かること
  1. 離婚を考える場合、すぐに離婚届を出すのではなく、まずは別居からはじめた方がよい
  2. 不倫やDVがあった場合は、証拠を集めることで有利に離婚の手続きが進む可能性がある
  3. 別居の前に夫婦共有の財産をしっかりと把握しておきましょう
  4. 親権を取りたいなら、子どもを連れて別居しましょう

離婚をしたい!と思ったら、できるだけ早く離婚したくなるかもしれません。しかし、いきなり離婚をするよりも、最初は別居した方がよい場合があります。別居をする中で、離婚後の生活の準備も確実に進めることができます。できるだけ有利に話を進められるように、別居する前に弁護士に相談することをおすすめします。

離婚が前提でもまずは別居をしたほうがいい理由

どちらか一方だけが離婚を望んでいたり、お互いに離婚には合意できていても条件面で折り合いがつかなかったりすると、離婚問題はしばしば泥沼化しがちです。そのようなときは、いきなり調停や裁判を行うよりも、まずは別居というかたちを取るほうがよい場合が多くあります。

別居により「夫婦関係の破綻」を客観的に証明できる

裁判所の司法統計の1つである「婚姻関係事件数(2016年度)」によると、裁判所に離婚を申し立てた動機の第1位は、男女ともに「性格が合わない」となっています。そのほかよくある離婚理由としては、不貞行為、精神的なものも含めた暴力、ギャンブル・アルコール依存症、家事・育児の放棄、相手親族との不仲、性的不一致などが挙げられます。

しかし、上記に挙げたもののうち、法律に規定された離婚理由(法廷離婚事由)であるのは「不貞行為」のみです。法廷離婚事由以外で離婚したい場合は、調停や裁判を起こしても認められない可能性があります。

法廷離婚事由以外での離婚を認めてもらうには、「夫婦関係が破綻している=これ以上結婚生活を継続できない」という事実を客観的に証明しなければなりません。別居の事実は、一緒に暮らせないほど夫婦関係がこじれていることのわかりやすい証明になりますから、別居期間があるかないかは離婚できるかできないかを左右する重要な要素となるのです。

離婚するために必要な別居期間は?

離婚するために必要な別居期間の目安は5年以上で、一般に別居期間が長くなればなるほど離婚は認められやすくなります。とはいえ、お互いが納得して一緒に住んでいない場合など、同居していないことがただちに夫婦関係の破綻にはつながらないケースもありますから、単純に別居の期間だけで離婚できる・できないを判断することはできません。

別居期間が5年を過ぎていれば必ず離婚できるわけでもありませんし、1年余りの別居で離婚が認められたケースも過去にはあります。離婚の可否は、単純な別居期間だけではなく、個々の状況を見て総合的に判断されることを覚えておきましょう。

ワンポイントアドバイス
今すぐ離婚したくても、ぐっとこらえてまずは別居することから考えましょう。別居している間に、夫婦関係の破綻を客観的に証明できる証拠を集めたり、離婚後の生活の準備ができたりします。

離婚前に別居するメリット

「別居しておけば、後々調停や裁判でスムーズに離婚できる可能性が高くなる」という事実がわかったところで、離婚の前に別居を選択するメリットをもう少し具体的に見ていきましょう。

生活費を確保したうえで離婚の準備を進められる

離婚前にまず別居をすることは、配偶者に比べて経済的に弱い立場にある方こそ大きなメリットを得られます。なぜなら、当面の生活費の心配をすることなく、ゆっくりと着実に離婚の準備を進められるためです。

夫婦には、お互いに生活費を出し合って暮らしを維持していく「扶助義務」があります。そのため、たとえ同居義務に反して別々に暮らしていようとも、夫婦である限りは、収入の多いほうは少ないほうへ生活費(子どもを引き取る場合は子どもの生活費なども含む)を渡さなければなりません。

言い方を変えれば、離婚すれば夫婦ではなくなってしまいますから、お互いに配偶者の生活費を負担する義務がなくなります。経済的な面で離婚後の生活に不安があるのなら、ひとまず別居というかたちを取り、相手に生活費の支払いを請求したうえで、じっくりと離婚後の仕事や住まい探しを進めていくのがベストなのです。

夫婦関係を修復できる可能性が残される

別居して離れて暮らすと、お互いに近くにいすぎて見えていなかったこと、相手に対して感情的になってしまい冷静に判断できていなかったことなどがクリアになります。その結果、「もう一度2人で頑張ってみよう」と気持ちが変化することもあるかもしれません。離婚したいという気持ちが変わらなくても、別居する以前よりはお互い冷静になって、話し合いを進められるのではないでしょうか。

ワンポイントアドバイス
離婚を前提に別居したら、速やかに婚姻費用分担請求調停を立てて、離婚までの生活費を確保しましょう。弁護士に相談すると一緒に手続きを進めてくれます。

離婚前提で別居のための事前準備と注意点

「離婚したいならまずは別居!」とはいえ、衝動的に別居を進めてしまってもあまりよい結果は生みません。メリットのある別居のためにやっておくべきことや、注意点を押さえておきましょう。

別居前にやっておくべき4つのこと

別居前にはまず事前準備として、以下4つのことを進めておきましょう。

別居後の生活をシミュレーションする

別居をするにはまず住まいが必要です。離婚が成立するまでの居候先として一時的にでも実家を頼れるかどうか、相談してみましょう。実家を頼れないとなった場合には、自分で住まいを探さなければなりません。その際、収入がないと部屋を貸してもらえない可能性が高いため、専業主婦の方は先に職探しからはじめる必要があります。

また、別居期間中の生活費は相手に請求することができますが、必ずしもすぐに必要な生活費を確保できるとは限りません。不測の事態が起こっても対応できるように、現時点で自分が自由に使えるお金がどれくらいあるのか、合わせて確認しておきましょう。

不倫やDVなどの証拠を集める

別居後、調停や裁判で争うことになった場合、不倫やDV、モラハラなどで離婚を認めてもらうにはそれらを証明できる証拠が必要です。証拠がなければたとえ離婚が認められても、慰謝料の請求ができないなど不利な条件での離婚になる場合があるので、同居中に可能な限り証拠を集めておきましょう。

メールやLINEなどでの配偶者とのやり取り(不倫の場合は配偶者と不倫相手とのやり取り)、録音・録画などはより確実な証拠となります。しかし、DVなどで証拠を取っていることが相手にバレると自分の身に危険がおよぶ場合は、日記やメモなどでもかまいません。

その際は、日時とできごと(相手の暴力・暴言など)、そのときの自分の心情などをできるだけ詳細に記すことを意識してください。DV・モラハラなどの場合は、けがや精神疾患などの医師の診断書も証拠となり得ます。

夫婦の共有財産を把握しておく

離婚の際は財産分与として、夫婦が結婚生活中に築いた共有財産の原則1/2をもらうことができます。しかし、共有財産を隠されてしまえば、当然ながら自分の取り分が減ってしまうことになります。相手の預金通帳や給与明細、株式・有価証券・不動産に関する書類などに関して、家を出る前にコピーを取るなどし、証拠として保管しておきましょう。また、別居している間に共有財産を処分される可能性がある場合は、併せて財産の保全手続きも進めましょう。

「離婚届不受理申出書」を提出しておく

別居期間中に勝手に離婚届を出されてしまうと、後から慰謝料や財産分与などを請求できなくなってしまうことがあります。別居を切り出す前に役所へ「離婚届不受理申出書」を提出しておき、配偶者が出した離婚届が受理されないように手を打っておきましょう。

別居する際に注意しておきたい2つのこと

別居前の準備としてやっておくべき4つのことに加えて、別居時には以下のことに注意が必要です。

可能ならば相手に別居の合意を得ておこう

相手の合意を得ずに勝手に家を飛び出してしまうと、相手から法廷離婚事由の1つである「悪意の遺棄」にあたると主張される可能性があります。調停や裁判でこの主張が通ってしまうと、家を出た側が不利な立場に立たされることになります。

悪意の遺棄とは、意図的に、つまり、相手が困ることがわかっていてなお、夫婦の同居義務、扶助義務、協力義務(お互いに協力し合って暮らしを維持すること。家事・育児に参加するなど)を怠ることをいいます。

ただし、「家族を捨てて家を飛び出し、不倫相手と同居している」といったよほどのケースでない限り、裁判所に悪意の遺棄と判断されることはないといえます。特にDVやモラハラ被害に遭っている場合、別居すると伝えることで逆上される可能性は大いにありますから、どうしても合意が得られそうになければ一方的に家を出てしまっても問題ありません。

親権を取りたいなら必ず子どもを連れて家を出よう

別居後に離婚する場合、親権の取得に関しては、子どもと一緒に過ごした時間が長い親のほうが圧倒的に有利になります。離婚後の親権は自分が取りたいという強い意志があるのなら、たとえ相手から「おまえに面倒は見られない。子どもは置いていけ」などといわれても、必ず子どもを連れて家を出てください。

ただし、その際はきちんと状況を説明し、子どもの理解と納得を得ることは忘れないようにしましょう。くれぐれも子どもの気持ちをないがしろにしないよう注意してください。

ワンポイントアドバイス
不倫やDVなどで離婚を考えたときは、できるだけ多くの証拠を集めることが大切です。そういった証拠は、後に裁判になったときなどに有効です。また、財産分与のために夫婦の共有財産についてもしっかり把握してから別居しましょう。

別居中にしたい離婚準備

無事に別居することが叶ったら、少しずつ離婚に向けての準備を進めていきましょう。

まずは別居中の生活費を確保しよう

結婚生活中の生活費のことを法律上は「婚姻費用」といいます。配偶者が別居期間中の生活費の支払いに納得してくれない場合は、家庭裁判所へ婚姻費用分担請求調停を申し立てましょう。

調停は基本的に話し合いですが、婚姻費用に関しては、調停不成立後は自動的に審判へ移行し、裁判所の判断で判決が下ります。請求が通れば、財産差し押さえなどの強制執行も可能になります。

離婚後の仕事と住まいを確保しよう

離婚後は、別居期間中のように相手から生活費を支払ってもらうこともできませんから、自立に向けて仕事と住まい探しをはじめましょう。現状でなかなか適当な職が見つかりそうにない場合は、資格を取得するなどのスキルアップを図るのも一手です。

また同時に、離婚調停や裁判をお願いできる弁護士のあたりをつけておくこと、離婚時にもらえるお金や一人親の公的扶助などに関して、自分なりに情報を集めるようにすることも意識しておいてください。

別居中の面会交流について

別居や離婚を理由に子どもと一緒に暮らせない親が、子どもと会って一緒の時間を過ごすことを「面会交流権」といいます。

子どもとの面会交流は片親の都合で拒めない

面会交流権は、親の権利であると同時に子どもの権利です。普段は一緒の時間を過ごせない片親から直接愛情を受ける機会があることは、子どもの健全な成長にとっては大きなメリットになるでしょう。そのため、子どもを会わせたくないといった片親の都合のみで、面会交流を拒むことはできません。

面会交流を制限できるケースとその方法

ただし、下記のように、面会交流の機会を持つことが子どもに悪影響をおよぼすことが明らかである場合は、配偶者の面会交流を制限できます。

  • 子どもに暴力をふるう可能性がある(または、同居中に実際に暴力をふるっていた)
  • 子どもが連れ去られる可能性がある
  • 子どもが会いたがらない
  • 相手に重い精神疾患やアルコール依存症などがある

ただし、上記に該当する場合でも、面会交流を完全に禁止することまではできないケースが多いです。代わりに、面会交流の回数を減らしたり、第三者に同行してもらったり、直接会わせない代わりに電話やメールなどでのやり取りを許可したり、といった方法で面会交流が制限されることになります。

面会交流の方法などに関して夫婦で折り合いがつかない場合は、家庭裁判所へ面会交流調停を申し立てましょう。面会交流に関する調停も不成立の場合は自動的に審判に移行し、最終的には裁判所の判断にゆだねられます。

ワンポイントアドバイス
子どもを連れて別居した後に、夫が子どもとの面会交流を求めることがあります。しかし、暴力が激しい夫だった場合、子どもと面会させるのが不安だというケースもあるでしょう。そういった場合、弁護士に相談しましょう。面会交流を制限できる可能性があります。

離婚前提で別居を考えたらすぐに弁護士に相談

別居後は調停や裁判で離婚を争うことが多くなります。法律の知識が必要な場面も多々あるので、離婚を考えたらできるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。

法律事務所の初回無料相談や法テラスなどを活用し、離婚問題の解決を任せられる弁護士を探すことをおすすめします。弁護士費用も踏まえて、離婚時・離婚後にかかる費用をシミュレーションし、別居前から少しずつ貯蓄などもはじめておくとよいですね。

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上記に当てはまるなら弁護士に相談