2018/6/20 38view

離婚すると戸籍はどうなる?離婚にともなう夫婦と子どもの戸籍の取り扱い

この記事で分かること
  1. 戸籍の筆頭者(婚姻時に名字が変わらなかった側)と子どもの姓と戸籍は離婚後も変わらない。
  2. 婚姻時に名字を変えた側は、旧姓に戻るか婚姻時の姓を名乗るか選択できる。
  3. 婚姻時に名字を変えた側が親権者となる場合、子どもと姓や戸籍を同じにするには手続きが必要

離婚すると子どもと姓が変わってしまうことがあるのは、離婚にともなって、婚姻時に名字を変えた側(主に女性)の戸籍が変わってしまうからです。ここでは、離婚後の親(主に親権者)と子どもの姓や戸籍について、わかりやすく解説します。

離婚後の夫婦の戸籍と姓

結婚するとき、夫になる人と妻になる人はそれぞれ、自分の両親の戸籍から抜けて新たな戸籍に入ります。このとき、名字が変わらなかったほう(多くの場合は夫になる人)を筆頭者といいます。筆頭者は離婚後も、戸籍も姓も変わりません。では、筆頭者でないほうの離婚後の戸籍と姓はどのようになるのでしょうか?

両親の戸籍に戻る場合

離婚すると、筆頭者でないほうは原則として、両親の戸籍に戻ります。両親の戸籍に戻るので、姓も旧姓に戻ります。

もしも両親が転籍(本籍地を別の場所へ変更すること)していた場合は、両親の転籍後の戸籍に入ります。しかし、両親がすでに他界しているなどして両親の戸籍が除籍となっている場合は、自分を筆頭者とする新たな戸籍をつくらなければなりません。

自分を筆頭者とする新たな戸籍をつくる場合

婚姻時の戸籍の筆頭者でなかったほうは、両親の戸籍に戻るほか、自分を筆頭者とする新しい戸籍をつくることも可能です。ただし、一度新しく戸籍をつくってしまうと、両親の戸籍に戻ることはできなくなってしまうため、慎重に検討しましょう。

自分で戸籍をつくる場合は、旧姓に戻るか婚姻時の姓を引き続き名乗るかを選択できます。ただし、離婚後も婚姻時の姓を名乗りたい場合は、「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出しなければなりません。この届け出には離婚が成立した日から3ヶ月以内の期限がありますが、通常は離婚届を提出する際に一緒に提出してしまうのが一般的です。

ワンポイントアドバイス
一度自分の戸籍を作ってしまうと、両親の戸籍(婚姻以前の戸籍)には戻ることができません。今後の人生、また、特に未成年の子どもがいる場合は子どもへの影響なども考慮して、慎重に検討してください。

離婚後の子どもの戸籍と姓

離婚時に夫婦の間に子どもがいた場合、子どもの戸籍と姓はどのようになるのでしょうか?親権者と戸籍や姓とのかかわりも見ていきましょう。

子どもの戸籍と姓は婚姻時と変わらない

婚姻中の男女の間に生まれた子どもは、父、あるいは母を筆頭者とする両親の戸籍に入り、両親と同じ姓を名乗ります。両親が離婚した場合は、筆頭者ではないほうが戸籍から抜けるだけなので、子どもの戸籍と姓は、何も手続きをしなければ婚姻時と同じままです。

また、戸籍や姓はどちらが親権を有しているか(どちらが子どもと一緒に暮らしているか)には影響されません。つまり、離婚を機に夫を筆頭者とする戸籍から妻が抜けて旧姓に戻る選択をした場合、母親が親権者であれば、親権者である親と子どもの姓が異なることになります。

ワンポイントアドバイス
結婚する際に名字を変えるのは女性が多く、また、離婚時に親権者となるのも母親であるケースが多いため、一緒に暮らしている親と子どもの姓が異なってしまうという問題がしばしばおきます。

親権者と子どもが同じ姓を名乗るには

離婚にともなって親の戸籍や姓が変わってしまうときは、どのような手続きを行えば、暮らしをともにする親と子どもが同じ姓を名乗ることができるのでしょうか?ここでは、婚姻時に戸籍の筆頭者だったほうを父、名字が変わったほうを母として、それぞれが子どもの親権者となった場合を考えてみます。

戸籍の筆頭者である父親が親権者の場合

離婚後特に何も手続きをしなければ、父を筆頭者とする戸籍から母が抜けるだけで、子どもは父の戸籍に残ります。子どもの戸籍は父と同じですから、姓も父と同じです。そのため、父が親権者として子どもを引き取る場合は、戸籍と姓に関して特に問題となることはありません。

戸籍の筆頭者でない母が親権者の場合

戸籍の筆頭者でない母が親権者として子どもを引き取る場合、母が子どもと同じ姓を名乗るには、2通りの方法があります。

「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出する

1つ目の方法は、母が「離婚の際に称していた氏を称する届」を役場に提出する方法です。この届け出をすると、母親は離婚後も婚姻時の姓を名乗ることができるようになるため、父親の戸籍に残っている子どもと姓を統一することができます。

ただしこの方法では、母親は離婚の際に婚姻時の姓で自分を筆頭者とする新たな戸籍をつくっているため、母親と、父親の戸籍に残ったままの子どもの戸籍は異なります。つまり、一見母親と子どもの姓は同じように見えますが、それはあくまでも見かけ上であり、法律的にはそれぞれ異なる姓だとみなされます。

「子の氏の変更許可」の申し立てを行う

法律上(戸籍上)の姓が異なったところで見かけ上の姓が同じであれば、日常生活においては特に不便を感じる場面はないといっていいでしょう。しかし、やはり子どもと戸籍上も同じ姓にしたいという場合は、子どもの戸籍を変更する手続きを進めなければなりません。これが、母親が親権者になった場合に親と子どもの姓を同じにする2つ目の方法です。

子どもの戸籍を変更するにはまず、「子の氏の変更許可」を家庭裁判所に申し立てます。“氏(うじ)”とは、“戸籍と姓”のことを指します。しかし、この申し立てを家庭裁判所に行っただけでは、母と子どもの戸籍と姓は同じにはなりません。子の氏の変更許可の申し立てが認められたのち、母親が子どもを、自分を筆頭者とする戸籍へ入籍させる手続きを行ってはじめて、母親と子どもの戸籍と姓が同じになります。

入籍の手続きは、裁判所ではなく役場で行います。また、子の氏の変更許可の申し立ては、親権を持っている側の親しかできないことに注意が必要です。

母親が一度婚姻以前の戸籍に戻っていた場合は

1つの戸籍には2代までしか入れません。そのため、母親が婚姻以前の戸籍に一度戻っていた場合、母親の両親(子どもから見ると祖父母)のいずれかがその戸籍の筆頭者となっていると、その戸籍に子どもを入籍させることができません。

そこでこのようなケースでは、母親の両親と母親の戸籍を別にする「分籍」という手続きを行います。そして、家庭裁判所へ子の氏の変更許可の申し立てを行った後、分籍後の母親の戸籍に子どもを入籍させる手続きを行います。

戸籍と子どもの相続について

両親の離婚によって子どもの戸籍が変わるとき、気になるのが相続の問題ではないでしょうか。ここで押さえておきたいのが、戸籍はあくまでも、現在の個人の身分関係を示す文書でしかないという点です。相続は法的な親子関係があれば発生するものですから、たとえ父や母と子どもが別の戸籍になったとしても、相続には影響しません。つまり子どもは、戸籍に関係なく、離婚後も引き続き父と母両方の相続権を持ちます。

ワンポイントアドバイス
「子の氏の変更許可」は、15歳以上の子どもであれば自分で申し立てが可能です。つまり、15歳以上の子どもであれば、自分の意思で父と母どちらの姓を名乗るか決定できることになります。

離婚後の戸籍や相続のこと、子どもへの影響など、わからないことは弁護士に相談を

離婚後の自分や子どもの戸籍と姓は、法律の知識のない方にはわかりづらいことです。特に姓に関しては日常生活においても大きく影響するものですし、離婚後の姓と戸籍がどうなるかで、運転免許証など身分証の変更手続きの有無も変わってきます。手続きなどでわからないことがあれば、気軽に弁護士などの専門家へ相談してみましょう。

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