2018/9/13 200view

離婚裁判にはどれくらいの期間がかかる?離婚調停・離婚訴訟の諸手続きと最短で決着する方法

この記事で分かること
  1. 離婚調停を行わなければ離婚裁判はできない。
  2. 離婚調停を行わなければ離婚裁判はできない。
  3. 離婚調停・離婚裁判を早く終わらせるには、確実な証拠が不可欠。

離婚調停・離婚裁判は、離婚協議よりも解決までに時間を要します。まずは手続きの流れと期間の目安を押さえ、より早く解決する方法を把握しましょう。

離婚調停・離婚裁判の手続きの流れ

離婚調停・離婚裁判は、夫婦が2人で話し合うだけで済む離婚協議とは異なり、いくつかの段階を踏まなければなりません。そのため、離婚成立までの期間も長期化しがちです。まずは、離婚調停・離婚裁判に必要な手続きと流れを把握しておきましょう。

離婚調停の手続きの流れ

話し合いでは離婚や離婚に関連するその他の問題(親権、慰謝料、財産分与など)が解決しなかった場合、調停委員という第三者に介入してもらって話し合う離婚の方法があります。調停では、お互いが直接話し合うことはなく、それぞれ調停委員に対して自分の主張を伝え、また、調停委員を介して相手の言い分を聞くことになります。

離婚調停を行うのに明確な離婚理由は必要なく、たとえば通常なら離婚裁判は認められないと考えられる「価値観の違い」などでも調停を申し立てることは可能です。さらに、浮気などの離婚原因を作った側からでも申し立てることができます。

離婚が成立するまでの離婚調停手続きの流れは以下のとおりです。

1.調停の申し立て

住所地を管轄する家庭裁判所へ調停を夫婦のどちらかが調停を申し立てます。同居していない場合は、相手の住所地を管轄する裁判所、またはお互いが合意した所在地の裁判所へ申し立てます。

2.1回目の調停

調停委員を介して離婚の合意や離婚条件に付いて話し合いを重ねていきます。申し立てから第1回目の調停までは、およそ1ヶ月の期間となるのが一般的です。

3.2回目以降の調停

お互いが納得いくまで、複数回にわたって調停が行われます。1ヶ月に1回程度のスパンで行われるのが通常です。

4.調停調書の作成

お互いが離婚に合意し、それぞれが納得した上で離婚条件がまとまられたら調停成立となり、裁判所より取り決めを文書にした調停調書が作成されます。調停調書には法的拘束力があり、調書の内容に従って支払いなどが履行されなかった場合は、強制執行(財産差し押さえなど)も可能になります。

5.離婚届の提出

調停成立日から10日以内に、調停調書と一緒に役所へ離婚届を提出します。離婚の成立日は調停成立日となります。

離婚裁判の手続きの流れ

調停が成立しなかった場合は、裁判で離婚を争うことになります。調停は第三者を介すとはいえ話し合いで決めるものですから、どちらかが納得しなければ離婚は成立しません。一方で、裁判では離婚の可否や条件については裁判官より判決が下されるため、一方が合意しなくても裁判官が認めれば離婚ができます。

ただし、離婚裁判を提訴するには、法律に定められた離婚理由(法廷離婚事由)が必要です。また、調停を行わない限り、離婚裁判を起こすことはできません。これを、「調停前置主義」といいます。

調停不成立から裁判によって離婚が成立するまでの手続きの流れは以下のとおりです。

1.裁判の提訴

夫、または妻の住所地を管轄する家庭裁判所へ訴状を提出し、離婚裁判を提訴します。訴えられた側は第1回目の口頭弁論までに、訴状に記載された相手の主張に反論する答弁書を作成して裁判所へ提出します。

2.1回目の口頭弁論

双方が訴状、または答弁書にもとづいて主張を述べ、自身の主張を裏付けるための証拠の提出を行います。また、原告(訴えた側)、被告(訴えられた側)、それぞれの承認に対して尋問が行われます。第1回目の口頭弁論の期日は、訴状を提出してから1ヶ月後目安に設定されるのが一般的です。

3.2回目以降の口頭弁論

第1回目の口頭弁論後は、お互いの主張が出そろうまで、月1回のスパンで口頭弁論がくり返し行われます。

4.判決

それぞれの主張をもとに裁判官が判決を下し、確定判決をもとに判決書が作成されます。判決書にも法的拘束力があるため、相手が判決書の内容に従わなかった場合は強制執行などが可能です。

5.離婚届の提出

判決が確定した日から10日以内に、判決書と確定証明書を添えて、離婚届を役所へ提出します。離婚の成立日は、判決が確定した日となります。

判決に不服がある場合

判決に納得が行かない場合は原則1回に限り、高等裁判所への不服申し立て(控訴)を行い、もう一度法廷で争うことができます。離婚裁判では上告(高等裁判所から最高裁判所への不服申し立て)が認められるケースは非常に限られているので、「離婚裁判では、判決に不服があれば1回まで再度争える」と覚えておくとよいでしょう。

ワンポイントアドバイス
調停・裁判いずれの場合も、離婚届を提出しなかったからといって離婚が覆るわけではありません。ただし、10日以内の提出期限を守らなければ、過料(ペナルティとして支払うべき金銭)が課せられることに注意が必要です。

離婚調停・離婚裁判にかかる期間

続いて、離婚調停・離婚裁判において、離婚成立までにどれくらいの期間がかかるのかを見ていきます。

離婚調停にかかる期間の目安は約半年

2015年の司法統計(※)によると、調停が成立した夫婦の約7割は半年以内に調停を終えています。また、申し立てがあった離婚調停の総数のうち、3回以内に調停を終えているのは約6割です。

※平成27年司法統計 婚姻関係事件数
http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/710/008710.pdf

離婚裁判は数年がかりになることも

一方で、離婚裁判の平均的な期間は約1~2年といわれています。特に、第1審で離婚が認められなかったり離婚条件に納得できなかったりして敗訴した場合、裁判が長期化する傾向にあります。

加えて、離婚裁判を提訴するにはまず、離婚調停を申し立てなければなりません。調停の期間も含めると、決着までに数年がかかるケースも珍しくないのです。

ワンポイントアドバイス
離婚裁判を進めるには、時間も費用もかかります。それぞれが気持ちよく再スタートを切るためにも、できる限り離婚協議や離婚調停の段階での解決を目指すのが望ましいといえるでしょう。

離婚調停・離婚裁判の期間を短くするための3つのポイント

夫婦2人の話し合いだけで済む協議離婚と比較すると、どうしても長期化しがちな調停離婚や裁判離婚。できるだけ早く解決するためには、次の3つのポイントを押さえておくことが重要です。

確実な証拠をそろえる

離婚裁判では、離婚の可否や離婚条件の妥当性を判断するのは裁判官です。そのため、離婚を認めてもらう、また、自分にとって有利な条件で離婚するためには、裁判官を納得させるだけの証拠が必要不可欠だといえます。また、裁判で提出する証拠が決定的で客観的に見ても確実なものであればあるほど、裁判の期間は短くなります。

また、離婚調停でも、自分に有利に調停を進めていくには、相手との間を取り持ってくれる調停委員を味方につけなければなりません。そのため、自分の主張を裏付ける証拠があることは、調停の期間を短縮することにもつながります。

離婚調停や離婚裁判の際に提出すべき証拠としては、たとえば以下のようなものが挙げられます。

現場を押さえた画像

不倫やの場合はラブホテルに出入りするところを押さえた写真、DVの場合は相手から受けた暴力によって負ったけがを撮影したもの、などが証拠になります。

動画や音声データ

不倫の場合は不倫相手との電話の記録、DVやモラハラの場合は暴力をされたり暴言を吐かれたりしたときの記録、などが証拠になります。

メールやSNSでのやり取り

不倫の場合は不倫相手と肉体関係があることがわかるやり取り、モラハラの場合は相手から文章で送られてきた暴言などがあれば、メールやスクリーンショットを保存しておけば証拠になります。

念書

念書とは、証拠として残しておくために作成する書付のこと。配偶者本人が浮気、DV、モラハラの事実を認めたことを念書に残しておけば、調停や裁判の際に有利な証拠となります(不倫の場合は不倫相手から念書を取っておくのも有効)。

相手の給与明細や生活費を管理している通帳

相手に一定の収入があるにもかかわらず生活費が支払われない場合、法律で定める離婚理由の1つ「悪意の遺棄」にあたります。給与明細や預金通帳は、悪意の遺棄を証明する証拠のひとつです。

医師の診断書

DVの場合は暴力によって負ったけがに関するもの、モラハラの場合は相手の暴言によって精神疾患などを患ったことに対するもの、などが証拠になります。

日記やメモ

長い期間にわたってできるだけ詳細に記録されているほど、証拠としての確実性が高まります。

家族や友人、知人による陳述書

第三者の証言を文章に残したものも、証拠として有用です。

争点を絞る

離婚調停や離婚裁判では、離婚の合意以外に親権、慰謝料、財産分与、養育費など、離婚の際の条件に関しても決定することができます。しかし当然ですが、話し合うべき、また、争うべき内容が増えれば増えるほど、調停や裁判の期間は長引いてしまいます。裁判で争うポイントは、どうしても話し合いでは解決できないことのみに絞るのが、短期間で決着するためのコツといえるでしょう。

和解に持ち込む

和解とは、離婚裁判において、本来はそれぞれの言い分や提出された証拠から裁判官が判断を下すところを、お互いの話し合いによって解決することをいいます。これを、和解離婚といいます。

和解は当事者のどちらかから申し出ることもできますし、話し合いで解決できそうだと判断されれば、裁判官からすすめられることもあります。どちらも自分の主張を通すばかりで譲らなければ、裁判が泥沼化するのは必須。妥協できるところは妥協して和解に持ち込むのが、早く裁判を終わらせるためのポイントのひとつです。

ワンポイントアドバイス
裁判が長期化すれば、時間はもちろん費用もかかります。早期解決のためにより確実な証拠を集めたければ、探偵や弁護士などその道のプロの力を借りるのがベストです。

離婚調停・離婚裁判期間が長期化するときの費用面での対策

離婚調停や離婚裁判が長引く場合、やはりネックとなるのは費用です。解決までに時間がかかりそうなときは、以下のような費用面の対策もとっておきましょう。

婚姻費用を請求しよう

婚姻費用とは、婚姻期間中の夫婦の生活費のこと。未成年の子どもがいる場合は、養育費や教育費など子どもにかかるお金も含まれます。婚姻費用は、収入の多いほうが収入の少ないほうへ支払う義務を負うものです。また、この義務は夫婦である限りなくならないため、別居していても支払いが必要です。

離婚調停・離婚裁判を進めると決まったら、家庭裁判所へ婚姻費用の分担請求調停を申し立て、離婚成立までの生活費を確保しましょう。また、離婚成立までの期間は、調停・裁判の準備と並行して、職や住まいの確保といった離婚後の自立した生活のための準備も進めていきましょう。

法テラスを活用しよう

法テラスとは、法的なトラブルを抱えた方をサポートする公的な制度です。無料の法律相談や弁護士費用を立て替えてくれるサービスなどがあり、経済的に不安がある方でも弁護士へ依頼できるなど、大きなメリットがあります。

ワンポイントアドバイス
現在では、法律相談無料・着手金不要・完全成功報酬制など、一般の方が気軽に利用しやすい料金設定の法律事務所も増えています。費用面であきらめる前に、まずは情報収集からはじめてみましょう。

離婚調停・離婚裁判の早期決着は弁護士に相談を

夫婦間の話し合いや離婚調停では解決できず、離婚裁判までもつれ込んでしまうと、経済的にはもちろんのこと、精神的な負担も相当なものになります。負担を最小限に抑えて早期決着を目指すなら、やはり法律の専門家である弁護士に任せるのがベスト。法テラスなどのサービスを活用すれば費用面での不安を解消することも可能ですから、まずはメールや電話などで問い合わせてみてください。

離婚の悩みは弁護士に相談を
離婚問題はひとりで悩まず法律のプロが解決
離婚する夫(妻)・不倫相手に慰謝料を請求したい
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離婚後の子どもの養育費をきちんと払わせたい
離婚したいけど離婚後の生活が心配
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上記に当てはまるなら弁護士に相談