DV離婚で慰謝料を請求する方法とは|配偶者の暴力で離婚

この記事で分かること
  1. 配偶者からDV被害にあったら、速やかに警察や自治体に相談しましょう。
  2. DV離婚の場合、裁判に進むことが多いので弁護士に依頼しましょう。
  3. DV慰謝料のために、客観的な証拠を集めておきましょう。

配偶者からDVを受けて、離婚をしたいと思ったとき、多くの場合調停では決着がつかず裁判まで進みます。裁判においては、慰謝料の決定などのためにも客観的な証拠を集めることが重要になってきます。それらを内密に用意し、離婚に強い弁護士に相談しましょう。

DV(ドメスティック・バイオレンス)とは

配偶者や恋人から振るわれるDVは、かつては家庭内の問題と捉えられ軽視されてきました。しかし近年DVは重大な人権侵害行為であると考えられています。

DVは深刻な社会問題

DVを受けているのは、ごく一部の少数の人達だけではありません。多くの人がDV被害に遭い、警察や配偶者暴力支援センターへの相談は年々増加しています。DVはそれだけ深刻な社会問題となっているのです。

DVって何?

DVとは「domestic violence(ドメスティック・バイオレンス)」の略で、一般的に親密な関係にある配偶者や内縁の夫・妻、恋人などからの暴力のことをいいます。DVには殴る、蹴るなどの身体的な暴力だけでなく、言葉による暴力や性的暴力も含まれます。

DV被害者の大半は女性

DV被害者の多くは女性です。これには単に女性が男性に力で敵わないという身体的な理由だけでなく、社会的な構造も関わっています。現在では女性の社会進出も目立ってきましたが、以前は女性には「夫を立て家を守る」役割が女性に求められていました。女性の経済的な自立が困難なこともあり「夫が妻に暴力を振るうのは仕方ないこと」と暗黙に認められていた風潮さえあったのです。

DV防止法

このような状況の中では、妻が夫から暴力を振るわれても表沙汰にしにくく、家庭内にDVが潜在していたと考えられます。しかし、被害者の声や国際的な流れもあり平成13年に日本でDV防止法が成立しました。DV防止法は男女平等の実現と女性の人権擁護を図ることを目的として、配偶者からの暴力の抑止と被害者保護・支援について定めています。

DVから逃れる方法

一つ屋根の下に住む配偶者による暴力から逃れることは容易ではありません。しかし、身の安全は何よりも大切です。緊急の時のためにDVから保護してくれる機関や施設を知っておきましょう。

警察

DVで身の危険を感じた場合には、警察に110番通報をするか最寄りの交番に駆け込んで被害を訴えましょう。警察では被害者の保護や防犯指導、加害者の暴力の制止、検挙などの措置を取ってもらえるほか、犯罪被害者の相談窓口でDVの相談にも乗ってもらうこともできます。

配偶者暴力相談支援センター

各都道府県に設置されている配偶者暴力支援センターは、DV被害者を支援する拠点となっています。DV被害を受けている場合には積極的に活用しましょう。配偶者暴力支援センターの主な業務は以下になります。

  • DV被害の相談及び相談機関の紹介
  • DV被害者の心身の健康を回復させるためのカウンセリング
  • DV被害者及びその家族の身の安全の確保と一時保護
  • DV被害者が自立して生活するための情報提供、助言
  • DV被害者の居住及び保護のための施設利用に関する情報提供、助言
  • 保護命令制度の利用についての情報提供、助言

保護命令とは配偶者からの身体への暴力を防止するために、裁判所が加害者に対して被害者に近寄らないように命じることです。

一時保護施設(シェルター)

配偶者暴力支援センターなどが運営している一時保護施設(シェルター)への避難も検討しましょう。シェルターはDV被害者を一時的に保護してくれる施設で、一般的な利用期間は2週間程度です。最近ではDV被害者の自立に向けた支援を行っているシェルターも増えています。

ワンポイントアドバイス
家庭内のDVは表に出にくく、他人が気づくのが遅れる傾向があります。DV被害を受けたときは、躊躇せず警察や配偶者暴力相談支援センターなどに相談しましょう。避難場所がない場合は一時的な保護施設シェルターに逃げ込むことも検討する必要があります。

DV離婚の多くは裁判になる

配偶者からDVを受ければ、当然のことながら離婚を考えこともあるでしょう。しかし、多くのDV加害者は簡単に離婚に合意しないと言われています。当事者間の解決が難しい場合には第三者の力を借りて離婚することをおすすめします。

DVによる離婚は協議が困難

DVを原因とした離婚では被害者が加害者に恐怖心を持っているなどの理由から、当事者同志による話し合いが困難です。そのためDV離婚は調停や裁判の手続を踏むケースが多くなります。

離婚の4つの方法

離婚には「協議離婚」「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」の4つの方法があります。協議離婚では夫婦が話し合って離婚を決定します。調停離婚は調停で調停委員を交えて話し合い、夫婦双方が条件等に合意すると成立します。審判離婚は調停が不成立となる場合に裁判所の判断で審判を下しますが、実際に離婚が成立するケースは極めて稀です。調停で離婚が成立せず、裁判所の審判も下されない場合には訴訟を起こして裁判離婚へと進みます。

DV離婚は裁判までいくことも・・・

相手からの暴力を理由に離婚する場合、話し合いの相手はDV加害者となります。自分に暴力を振るった相手との協議は肉体的にも精神的にも負担が大きいため、調停を家庭裁判所に申立て調停委員を交えた話し合いを望む被害者も多いです。しかし、DV加害者には執着心が強い人が多く、簡単に離婚に合意しないことも考えられます。DV離婚は裁判までいくケースも多いのです。

DV離婚は弁護士に依頼しよう

DV離婚は相手の性格や夫婦の関係性などから、スムーズに合意に至らないケースが多くあります。調停、裁判で離婚を有利に進めたい場合には、弁護士に依頼することをおすすめします。

DV離婚は肉体的・精神的な負担が大きい

DVを受けていた相手との離婚は肉体的にも精神的にも負担が大きいものです。法律のプロである弁護士は心強い味方となってくれ、精神的な負担も軽減できます。調停や裁判に必要な書類の準備も弁護士に任せることもできるため、仕事や家事などに支障が出ることも少なくなります。

相手と接触せずに済む

離婚について相手と連絡をとることは大きなストレスです。相手がDV加害者であればなおさらでしょう。弁護士に依頼すれば連絡窓口になってくれるため、相手と直接話をしないで済みます。

主張を的確に伝えられる

調停や裁判の場では、緊張して自分の言い分を上手く調停委員や裁判官に説明することができない場合があります。そのような時にも弁護士が隣にいてサポートしてくれることで、的確な主張ができる可能性が高くなります。

ワンポイントアドバイス
DV加害者には執着心が強い人が多く、簡単に離婚に合意しないケースが多くあり、離婚をしたくても裁判までいくケースが多くなります。DV離婚は肉体的にも精神的にも負担が大きいため弁護士に依頼して、加害者と直接話をしない方がよいでしょう。

DV離婚で慰謝料を請求するには

裁判で離婚を認めてもらうことはもちろん、DVによる離婚で慰謝料を請求するには客観的な証拠が必要です。さらに暴力を受けた回数や期間、理由なども慰謝料を決めるポイントになります。

客観的な証拠集めが最重要

DVによる離婚を成立させて慰謝料請求をするためには、どのようなことに注意して証拠を集めれば良いのでしょうか。

有力な証拠となる物

DVを受けていたことを証明するには客観的な証拠が必要です。具体的には以下のようなものが有力な証拠となります。

  • 医師の診断書
  • 痣などのDVによる怪我を写した写真
  • DV被害を受けた日時、状況、理由などが記された記録
  • 暴言等の音声データ
  • DV被害を知る第三者の証言

写真や音声に関しても、撮影・録音をした日時や場所が特定できるとより信憑性の高い証拠として、裁判などで採用されやすくなるでしょう。

相手に秘密で証拠を集めることが大切

DVの証拠集めは相手に秘密で進めることが大切です。写真やメモなどが相手に見つかると証拠を破棄されてしまうほか、さらに暴力がエスカレートする恐れもあります。絶対に悟られないよう、慎重に証拠を集めるようにしてください。

慰謝料決定の際に考慮されるポイント

DVによる慰謝料を決定する際に重要となるのは証拠だけではありません。DVを受けた回数や期間、さらには理由なども考慮されます。

DVの回数・期間・理由

DVを受けた回数や期間も慰謝料の決定のポイントになります。DV被害を受けた時には、できるだけ日記などに記録を残しておくようにしましょう。また加害者が一方的に暴力を振るったのか、被害者側にも落ち度があったのかなどDVに至った経緯も考慮されます。

怪我の程度・後遺症の有無

DVによる怪我の程度や後遺症の有無も、慰謝料決定の際にポイントとなる事柄です。さらに肉体的な苦痛だけでなくDVによって受けた精神的苦痛も考慮されます。DVによるショックで不眠になり通院・服薬を受けたか、心の病気と診断されたかなども慰謝料に影響してきます。

どんなに親しい間柄でも、暴力をふるうことは重大な人権侵害になります。配偶者や恋人からDVを受けている場合には、我慢せずに警察や配偶者暴力支援センターなどの支援を受けるようにしましょう。DVによる離婚は、離婚を専門とする弁護士に手続を委託してスムーズに進めることをおすすめします。

ワンポイントアドバイス
DVによる慰謝料をとるためには、客観的な証拠資料が必要になります。慰謝料決定には、DVを受けた回数や期間、理由などが考慮されるため、配偶者には見つからないように病院での診断書などを集めるようにしましょう。
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