2018/2/5 167view

相続トラブルは弁護士に相談を!〜よくある相続トラブルとは?

この記事で分かること
  1. 相続は実際に発生するまでその状況を想像しにくい
  2. 親と同居している兄弟がいると相続トラブルになりやすい
  3. 感情的にもつれる前に弁護士に相談することが大切

財産がそれほど多くない世帯においても相続トラブルは発生しています。相続トラブルの事例を知っておくことで、自分たちがどのように行動したらいいのか知る手助けになります。しかし、いくら事例を知っていても万全ではありません。相続をめぐって意見の対立が起こったら早めに弁護士に相談しましょう。

遺産相続トラブルの事例を知ろう

相続は誰もが未経験なもので、実際に起こるまでどうなるかは想像の域を超えることがありません。遺産をめぐる争いに巻き込まれた人のほとんどは、争いを回避するには、具体的な事例について知っておく必要があります。トラブルに発展しやすい事例を事前に知っておけば、対策が取りやすくなるからです。莫大な財産がある、亡くなった被相続人に愛人がいたなど映画や小説に登場するような特殊な事例よりも平凡な普通の家庭のほうが起こりやすいともいえます。以下、その事例を紹介します。

被相続人と同居していた相続人の寄与分

Aさんには兄Bがいます。母親は数十年前にすでに他界しています。先日、父親が亡くなり相続が発生しました。葬儀もひと段落したので遺産について話し合いをしていたところ、Bが「父と同居して苦労したのだから、遺産をすべて相続する権利がある」と主張しました。この場合、Bの主張は通用するのでしょうか?

解説

たしかに、被相続人の介護を長年してきたBからすると、特に父親の面倒を見てこなかったAと同じ遺産を相続するのでは不公平と言えるでしょう。そこで、相続には「寄与分制度」があります。寄与分とは、亡くなった人の被相続人を長年介護していたり、事業を手伝っていたりなど、被相続人に対して何らかの貢献をした相続人がいた場合、その貢献分を遺産から差し引いて、残りを法定相続分として与える制度です。生前、被相続人に貢献した相続人は、差し引いた貢献分をプラスして受け取れます。

寄与分制度の具体例
遺産総額1億円
Aの寄与分 3000万円
Bの寄与分 0万円
1億-3000万=7000万円
Aの取り分 7000万円の2分の1である3500万円(法定相続分)+寄与分3000万円
Bの取り分 7000万円の2分の1である3500万円(法定相続分)

とは言え、あくまでも法定相続分(法律によりそれぞれの相続人に決められた相続分)にプラスするのが原則であり、決して独り占めを認める制度ではありません。貢献度については、規定がなく、話し合いによって決めることになります。

いずれにせよ、遺言書がなければ、法定相続分をもとに遺産分割協議を開いて話し合いを行い、誰がどれだけ遺産を相続するか決めることになります。被相続人の子であれば、貢献度には関係なく相続人になるので、A、Bには法定相続分を与えられます。この知識がなく、Bの意見を飲んでしまえば、Aは損をしてしまいます。

特別受益者がいる場合

父親が亡くなり、あとに妻と長女A、次女Bが残りました。遺産相続をしようとしたとき、Bが「Aは生前、父親から生活費を支援してもらっていたけれど、私はもらっていない。同じ相続額なのは納得できない」と主張しました。

解説

相続人が被相続人から生前に、生活費やマイホーム資金などの援助をしてもらっていたケースはあるでしょう。しかし、その事実を無視して法定相続分通りに遺産を分けてしまえば、フェアとはいえません。そこで、その不公平を軽減するために「特別受益の制度」があります。この制度は、特別に財産の利益を得ていた相続人がいた場合、その利益分を遺産総額に戻して法定相続分で分ける制度です。
今回の場合、Aが相続分よりも生前多く利益を受けていれば、相続する財産はなくなります。(生前の利益が多かった分は返す必要はありません)
ただし、父親がAに援助した生活費は特別受益としないようにとの遺言書を残していれば、遺言が尊重されます。

特別受益の制度の具体例
遺産総額1億円
Aが受けていた生活支援分 2000万円)
1億+2000万円(特別受益分)=12000万円)
妻の取り分 12000万の2分の1=6000万円)
Aの取り分 12000万円の4分の1である3000万円(法定相続分)-特別受益分2000万円=1000万円)
Bの取り分 12000万円の4分の1である3000万円(法定相続分))

兄の妻が遺産分割協議に出てきたケース

母が亡くなったため、Cさんは兄Dと遺産を分けることにしました。そこに、兄の妻Eが出てきて「Cさんは独身だけれど、うちには子供がたくさんいるのだから、遺産を多く欲しい」と主張してきました。Cさんは遺産の事で揉めたくなかったのと、確かに独身なので兄の妻の言う通りにしようと考え同意しました。

解説

今回の事例では、C、Dの法定相続分は2分の1ずつになります。Dの妻Eは相続人ではないので、遺産分割については口を挟む権利はありません。しかし、きちんと話をすることも大切です。ただ、今回のように、「Dの方に多く遺産を与える」というEの主張に同意してしまうと、後から、「やはり、おかしい!自分も平等に受け取るべきだ」と思って遺産分割協議の決定を覆そうとしても、一度同意してしまったものを変えるのはやっかいです。

ワンポイントアドバイス
家族や兄弟の間で揉めた場合は、弁護士に介入してもらいましょう。法定相続分や寄与分など法律の知識がある人のアドバイスを受けることにより、冷静に判断できるようになります。

家庭状況の影響で起こる相続トラブル

紹介したのは、よくある遺産相続トラブルのほんの一例に過ぎません。遺産相続はたくさんの人の感情と思惑が交差するため、似通ったケースはあっても、まったく同じケースというのは存在しません。とは言え、先によくある事例を心得ておくことでトラブルを未然に防ぐことも出来るでしょう。相続の問題は家庭ごとに状況が異なるため、全部のケースに対応するのは極めて困難です。最近では以下のようなケースでのトラブルも発生しています。

子のない夫婦のケース

たとえば、夫が亡くなった場合、法定相続人は妻と子どもになります。妻は財産の半分を相続し、残りは子供の数で割ります。しかし、子どものいない夫婦は自分の親や兄弟姉妹が相続人となるのです。そこで、利害が衝突することがあります。相続人の数が増えることになれば相続は複雑になっていくため、トラブルになりやすいのです。

離婚や再婚した人のケース

さらに、一度離婚をして再婚をした人の場合、前の配偶者との間に子どもがいれば相続人が増えるのでトラブルが起こる可能性が高まります。また愛人など婚姻関係にない男女の間に生まれて認知された非嫡出子の法定相続分は摘出子の2分の1で、同じ子でありながら、不公平だという声もありました。それが、2013年の民法改正により、実子と同等の法定相続分を持つことになっています。これによって相続トラブルにつながるケースも出ています。

ワンポイントアドバイス
家族環境の変化に伴い、最近では新たなパターンの相続のトラブルも増えています。法律も改正されていますので、弁護士などの法律の専門家の助けを得たほうがよいでしょう。

相続トラブルに巻き込まれたら

相続トラブルに巻き込まれたら、できるだけ早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。弁護士というと敷居が高く感じる人は多いでしょう。相続が起こるまでは、仲のよかった兄弟だから話し会えばわかるはずだと考える人と思います。しかし一度でも揉めてしまうと、感情的になってしまい冷静な話し合いが出来なくなり、解決しても信頼関係が崩れたり、人間関係が危うくなるかもしれません。このような事態を避けるためにも、遺産相続をよく知っている、プロの法律家である弁護士への相談を検討するようにしてください。これが一番賢明な解決方法と言えるでしょう。

依頼した側の事情と法律とを勘案しながら、適切な解決策を考えてくれます。弁護士は法律に関する豊富な知識を有しているだけではなく、例えば、本人の代わりに遺産分割協議に参加したり、よりよい方向に進めるようにアドバイスすることができます。遺産分割を相続税の納税期限にまとめることにより、相続税の優遇制度を利用できるようになり、結果として節税できるようになります。

ワンポイントアドバイス
弁護士にも相性があります。自分の話をよく聞いてくれるだけでなく、間違ったことは、間違っていると、きちんと是正してくれ、速やかに正しい方向で解決してくれる弁護士がベストです。身近に弁護士に心あたりがないときは、弁護士会に相談するという方法もあります。

相続トラブルは遺産相続に強い弁護士に相談

相続のトラブルが起こったら、まず、遺産相続に強い弁護士を探しましょう。できれば、トラブルになる前の生前から弁護士に相談した方がいいのですが、人の死はいつ訪れるか分かりません。トラブルに巻き込まれてから、弁護士を探すことになるケースも多々あるでしょう。いずれにせよ、遺産相続は、家族構成によってさまざまですし、財産の種類によっては非常に複雑な手続きを踏まなければならないこともあります。想像以上にこじれてしまうこともあるので、早い段階で弁護士を依頼する方が得策です。

初回は相談料が無料の弁護士事務所も多いので、まずは相談してみることをおすすめします。

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