2018/7/25 8view

遺産相続の弁護士費用の相場を徹底解説!

この記事で分かること
  1. 弁護士の報酬は日弁連の旧報酬規定がある
  2. 弁護士にかかる費用は着手金や報酬金など、5種類に分けられる
  3. 分割払いにのってくれる事務所もあるので、相談してみよう。

弁護士の費用は、依頼者が得ることになるお金の額(経済的利益)によって変わってきます。相続の場合、経済的利益の線引きが難しいことから、依頼する前に確認することが大切です。最近では、初回無料で相談に応じてくれる事務所もあるので、利用してみることをおすすめします。

遺産相続の弁護士費用の相場はあるのか

遺産相続が発生した場合、必ずしも弁護士に相談しなくても手続きを進められるケースもありますが、相続人同士の間でトラブルになり、結果、裁判にまで発展するケースも少なくありません。そこで、必要になってくるのが弁護士の存在です。

弁護士に依頼すれば、複雑な争いもスムーズに解決に導いてくれる可能性が高まります。しかし、その際にかかる弁護士費用や料金体系はどのようになっているのでしょうか。

事務所ごとに弁護士費用は異なる

弁護士費用について、以前は日本弁護士連合会の基準(旧報酬規程)がありましたが、現在では弁護士報酬が自由化されているため、法律事務所や弁護士ごとに自由に報酬基準が決められるようになっています。つまり、弁護士費用は事務所ごとに異なるわけです。

しかし、弁護士費用の目安として、そのまま旧報酬規定をもとに料金体系を決めている法律事務所や弁護士は多くあるので、旧報酬規定を相場と考えてもよいでしょう。

一般的に訴訟事件の報酬額は、依頼者が得る経済的利益によって決まります。相続における経済的利益とは、依頼者が相続する遺産の時価相当額のことです。ただし、旧報酬規定には、分割の対象となる財産(相続分)に争いがなければ、その相続分の時価相当額の3分の1の額にすると記載されています。

ワンポイントアドバイス
相続した財産のうち争わない部分と争う部分の線引きは難しいものがあります。「どのくらい相続分が増えそうなのか?」「その場合の報奨金はいくらになるのか」の2点を依頼する際、弁護士に確認しておきましょう。

知っておきたい遺産相続にかかる弁護士費用の相場

弁護士に遺産相続を依頼する場合、必ずかかる費用とその都度、必要に応じてかかってくる手数料などの支払いがあります。それぞれの相場についてみていきましょう。

5つの弁護士費用の種類について

遺産相続を弁護士に依頼した場合、他の事件と同様、5種類の費用が発生します。どのような費用が発生するのか、順番に見ていきましょう。

相談料

弁護士への法律相談に必要な費用です。相続事件を依頼する前に、今どのような状況なのかを説明し、どのように手続きを進めていくのがよいか、大体の方向性を知るための相談になります。この時点では、まだ、相談した弁護士に依頼するかは、この時点では決める必要はないので、別の弁護士のところに相談にいってもかまいません。

着手金

弁護士が案件に着手する前に支払う初期費用です。基本的には依頼時に一括で支払いますが、分割払いが可能な場合もあります。報酬金とは異なり案件の結果によって金額が変わることはありません。言い換えれば、依頼人の要望通りに案件が解決しなくてもお金は戻ってきません。着手金が支払われてはじめて、弁護士が事件に着手します。

報酬金

事件が解決した後に、経済的利益の〇%というかたちで支払う費用です。通常、経済的利益は弁護士の口座に振り込まれ、そこから弁護士の報酬を差し引いて、依頼者に支払われることになります。

日当

弁護士が相手方と交渉するために、遠方へ出張する際などに発生する費用です。着手金の中にある程度の日当を含めている法律事務所もあるので、確認しておきましょう。

手数料

書面を作成したり、裁判所への申し立てなどの業務に対する費用です。詳しい内容については後述します。

それぞれの弁護士費用の相場

相談料

1時間1万円が目安ですが初回相談は無料としている法律事務所も、最近では多くあります。また、初回相談後に依頼すれば、相談料を無料としている事務所もあります。
ちなみに、旧報酬規定では、30分ごとに5000円から25000円の範囲内となっています。

着手金

どんな事件の解決を目指すかによって、相場は異なります。特に遺産相続の依頼の場合、どれくらいの金額が経済的利益になるのか、最初の段階では分かりづらい傾向があります。遺産がどれくらいあるのか、相続人はどれだけいるのか、相手方の主張はどんなものなのかが明確でないため、着手金についてはある程度固定の金額を定めている事務所が多いようです。その場合は、相場としては20万円~30万程度と言えそうです。

旧報酬規定では下記の通りになっています。

訴訟事件の場合
経済的利益 着手金
300万円以下 8%
300万円超え~3000万円 5%+93,000円
3000万円超え~3億円  5%+93,000円
3億円超え 5%+93,000円
調停・示談交渉の場合

上記の訴訟の場合に準じますが、3分の2に減額できます。
示談交渉から調停へ、または示談交渉や調停から訴訟などへ移行するときは、着手金は訴訟の場合の2分の1になります。

※いずれの場合も、着手金の最低額は10万円

報酬金

得られた経済的利益の価格から報酬が決まります。
旧報酬規定では以下のようになっています。

訴訟の場合
経済的利益 報酬金
300万円以下 16%
300万円超え~3000万円 10%+18万円
3000万円超え~3億円  6%+138万円
3億円超え 4%+738万円

※事件によって、30%の範囲で増減可能。

調停・示談交渉の場合

上記の訴訟の場合に準じますが、3分の2に減額できます。

日当

一般的に、半日程度時間が拘束される場合と、1日かかる場合とで日当が異なります。多くの弁護士が採用している旧報酬規定では、半日(往復2時間から4時間)で3万円以上5万円以下、1日(往復4時間以上)は5万円以上10万円以下となっています。

ワンポイントアドバイス
上記の費用の他、実費として発生する費用があります。具体的には「交通費」「郵便料金」「裁判印紙代」などです。また、相談料や着手金、報酬金、日当には消費税がかかります。

遺産相続の流れで見る弁護士費用の相場

次に、相続の手続きによってかかる費用について、確認しておきましょう。

遺産相続での単発業務にかかる手数料

書面作成や裁判所への申し立てなどにも、費用がかかります。「遺言作成の手数料」「遺言執行の手数料」「相続放棄の申立手数料」などがそれにあたりますが、それぞれの費用の相場について説明します。

遺言書の作成

弁護士に遺言書の作成を依頼する場合、「遺言作成手数料」がかかります。その相場は10~20万円ほどです。遺産額や遺言内容の複雑さによって手数料が変わる場合もあります。なお「公正証書遺言」を作成する際は、公証人への手数料(5000円~10万円程度)も必要です。

遺言の執行

遺言の執行とは、遺言の検認の後に相続人へ遺産を分配するなど、遺言の内容を実現させることです。遺言執行のための手数料は、遺産の額や相続人数によって変わります。旧報酬規程では以下のように定められており、現在もこの内容に沿った金額になっていることが多いようです。

経済的利益 手数料
300万円以下 30万円
300万円超え3000万円以下 2%+24万円
3000万円超え3億円以下 1%+54万円
3億円超え 0.5%+204万円

相続放棄

借金などマイナスの財産が多い場合などは、「相続放棄」を選択することになります。相続放棄の手続きを弁護士に依頼すると家庭裁判所への申立手数料なども含め10万円ほどかかることがあります。事前に相続財産や相続人を調べる必要があれば、調査費用がさらにかかります。

遺産分割協議

遺産分割協議とは、相続財産の分け方の話し合いです。相続トラブルの大半は、遺産分割協議で発生します。紛争解決を弁護士に依頼する場合は、着手金と報酬金が生じます。争いの内容によって料金は異なりますが、着手金の相場は20~30万円としている弁護士事務所が多いようです。報酬金は、前述しましたが、旧報酬規定の場合、訴訟に発展した場合、経済的利益の額が300万円以下で経済的利益の8%。300万円を超え3000万円以下の場合は5%+9万円となります。さらに3000万円を超え3億円以下の場合:3%+69万円です。調停および示談となった際の金額は低めに減額されています。

なお、旧報酬規定によると、遺産分割請求事件の場合、経済的利益は対象の相続分の時価相当額としています。ただし、対象となる相続分について争いがなければ、時価相当額の3分の1になっています。

遺留分の減殺請求

遺留分とは遺言の内容にかかわらず相続人が最低限相続できる財産のことです。この権利が侵害された場合、その事実を知ってから1年以内に「遺留分の減殺請求」をしなければなりません。
着手金は経済的利益によって変動しますが、最低額は10万円となります。旧報酬規定では、報奨金は経済的利益の額が300万円以下の場合は、その利益の8%。300万円を超え3000万円以下の場合は利益の5%+9万円、3000万円を超え3億円以下の場合は3%+69万円となります。

ワンポイントアドバイス
旧報酬規定をそのまま踏襲している事務所が多いとはいえ、事務所によって、報酬は独自に決めているところも多くあります。報酬については最初の相談の段階で、しっかりと確認しておきましょう。

遺産相続の弁護士費用を分割で支払える事務所もある

遺産相続で弁護士に依頼するなら、弁護士費用を払わないといけませんが、一括払いは難しい方もいらっしゃるでしょう。法律事務所の中には分割やカード払いに対応しているところもあるので、確認してみましょう。また、収入などの一定条件が合えば、民事法律扶助を受けることができます。詳しくは、法テラスなどに問い合わせてみましょう。

弁護士費用が安くても安易に飛びつかない

遺産相続の案件は、人やお金が複雑に絡んでくるだけに、長期間に及ぶことも少なくありません。そのため、依頼する弁護士に遺産相続について十分な経験があるかどうかはとても重要になってきます。経験がない弁護士に依頼すると交渉を有利に進められない恐れがあるからです。弁護士費用は事務所によって様々で、中には安い事務所もあります。しかし、弁護士費用が安いからと安易に飛びつくのではなく、遺産相続の案件に強い弁護士かどうかも含めて検討するようにしましょう。

ワンポイントアドバイス
最近では無料で相談できる弁護士も増えてきています。最終的な報酬が見えない中で、弁護士に依頼するのも不安かもしれません。その場合は、弁護士に見積もりを出してもらうこともできます。

遺産相続の弁護士費用の相場を理解してから相談!

遺産相続でトラブルなどが発生したときは、できるだけ早く弁護士に依頼する必要があります。また、特にトラブルがなくても、相続が発生したときに、弁護士にこれからどのように手続きを進めたらいいのかを相談するのもよいでしょう。弁護士に相談することを決めたら、まずは必ず発生する弁護士費用の相場を確認し、どれだけ費用が発生するのかを知ってから相談すると安心です。弁護士費用について分からないことは、初回無料相談のときなどの時点で聞いておくようにしましょう。

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