2018/10/26 20view

座席で異なる交通事故での死亡率~一番危険な席、安全な席は?

この記事で分かること
  1. 交通事故における座席別死亡率だけを見れば、後部座席が一番死亡率の高い危険な席であり、助手席が一番死亡率の低い安全な席と言える
  2. 後部座席の死亡率が他の席と比べて高くなる背景には、後部座席のシートベルト着用率が他の席と比べて低いことが一因
  3. 交通事故の被害者がシートベルト非着用だった場合には、十分な賠償額を得られなくなる場合があるため、お悩みの場合は弁護士に相談を!

交通事故における座席別死亡率だけを見れば、後部座席が一番死亡率の高い危険な席だと言えます。しかし、その背景にはシートベルト着用率の低さがあります。交通事故の被害者がシートベルト非着用だった場合には、十分な賠償額を得られなくなる可能性もあるため、お悩みの場合は弁護士に相談しましょう。

自動車乗車中の交通事故では、後部座席がもっとも死亡率が高い!

自動車乗車中の交通事故では、運転席・助手席・後部座席のうち、どの座席が一番危険なのでしょうか?また、どの座席が一番安全なのでしょうか?

結論から言えば、運転席・助手席・後部座席のうちで一番危険なのは後部座席、逆に一番安全なのは助手席です。

本記事では、国土交通省の統計資料や警察庁公式サイト・JAF(一般社団法人日本自動車連盟)公式サイトなどをもとに、座席で異なる交通事故の死亡率や、その死亡率になる背景についてご説明します。

【参照先】
国土交通省作成資料「平成26年中の交通事故発生状況」
http://www.mlit.go.jp/common/001118302.pdf

警察庁公式サイト
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/seatbelt.html

JAF(一般社団法人日本自動車連盟)公式サイト
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/rearseat/infographic/nonwear/

交通事故における座席位置別致死率(死亡率)の比較

国土交通省作成の座席位置別致死率(死亡率)の統計で、平成30年8月現在に公開されているもっとも新しいデータ(「平成26年中の交通事故発生状況」)によれば、座席位置別の致死率(死亡率)は以下のとおりです。

  • 運転席の致死率(死亡率)=0.29%
  • 助手席の致死率(死亡率)=0.28%
  • 後部座席の致死率(死亡率)=0.31%

これは、交通事故による死傷者数を100%としたとき、死者数がそのうち何%を占めるか算出した数字です(死者数÷死傷者数×100=致死率(死亡率))。

座席位置別致死率(死亡率)は後部座席がもっとも高い

これを見ると、運転席・助手席・後部座席の致死率(死亡率)は、極端に大きな違いは見られないものの、後部座席に座っていた人の致死率(死亡率)が相対的に高くなっています。その意味では、一番危険な席は後部座席、一番安全な席は運転席と言えます。

なぜ後部座席が一番危険な席なのか?

後部座席のシートベルト着用率の低さが原因

この統計によれば、自動車乗車中死者の、シートベルト着用有無別の致死率(死亡率)は、着用者が0.16%に対して、非着用者は2.30%です。非着用者の致死率(死亡率)は、着用者の致死率(死亡率)の実に14.3倍に上ります。つまり、シートベルトを着用していなかったことが、自動車乗車中の交通事故において、被害者が死亡する一因であると言えそうです。

自動車乗車中の交通事故の死傷者のシートベルト着用の有無を、座席別に見てみると下記のとおりとなり、後部座席は運転席や助手席と比べて、シートベルトを着用している人の割合が突出して低くなっています。

  • 運転席のシートベルト着用率=98.3%
  • 助手席のシートベルト着用率=97.1%
  • 後部座席のシートベルト着用率=60.1%

すなわち、後部座席が一番危険な席となった原因は、後部座席がほかの席と比べて、シートベルトの着用率が低いことにある、という見方ができるのです。

後部座席のシートベルト着用率が低いのはなぜ?

(1)かつて後部座席のシートベルト着用は義務ではなかった

後部座席のシートベルト着用率が低い理由の一つは、かつて後部座席のシートベルトの着用が、義務ではなかったことが挙げられるかもしれません。

平成30年8月現在の道路交通法では、運転席・助手席・後部座席の全ての座席で、シートベルトの着用が義務化されています。しかし、平成20年6月1日の道路交通法改正前は、後部座席については、シートベルト着用は「義務」ではなく、単なる「『努力』義務」に過ぎませんでした。このため、自動車乗員のあいだでも、「後部座席ではシートベルトをしなくてもいいか!」と、シートベルト着用への意識が低かったのでしょう。

そして道路交通法が改正され、後部座席のシートベルト着用が義務となってからも、以前の古い意識のままの乗員がいることにより、後部座席のシートベルト着用率が低くなっているのではないでしょうか。

(2)一般道での後部座席のシートベルト非着用には、行政罰がない

また、後部座席のシートベルト着用が義務化された平成20年6月1日以降も、一般道での後部座席のシートベルト非着用に対しては、行政上の罰則がなく、違反点数を付されるようなこともありません(高速道路での違反は、違反点数が1点、付されます)。

例え後部座席のシートベルト着用が義務化されても、罰則がないのであれば、着用率が低いままにとどまるのもうなずけますね。

ワンポイントアドバイス
道路交通法では、自動車の運転者は、助手席や後部座席に座る乗員について、シートベルトを着用させずに乗車させて運転してはならないとされています。したがって運転者も、後部座席の乗員に危険が及ばないように、シートベルト着用について心配りすべきでしょう(助手席乗員についても、もちろん同様です)。

後部座席でシートベルトをしなかった場合、交通事故の死亡率が高くなる理由

それでは、後部座席でシートベルトをしなかった場合に、交通事故の死亡率が高くなるのは、一体なぜなのでしょうか?

警察庁やJAF(一般社団法人日本自動車連盟)によれば、後部座席でシートベルトを着用しなかった場合に交通事故に遭うと、「本人致命傷」、「本人車外放出」が起こる可能性があります。これはどちらも、死亡につながりうる危険な状態です。

本人致命傷とは

衝突したときにシートベルトを着用していないと、前方に激しく投げ出されたり、硬いピラー(自動車の柱)部に頭をぶつけたり、自動車の中で全身を強くうちつける危険性があります。仮に、時速60kmで進んでいる自動車が壁などに激突した場合、高さ14mのビルから落ちるのと同じ衝撃を受けます。これでは、死亡してもおかしくありません。

本人車外放出とは

交通事故の衝撃で、自動車が回転した場合には、遠心力で横の窓から車外に放出されたり、後方の窓を突き破ったりする危険性があります。車外に放り出されると、堅いアスファルトに体をぶつけたり、後続車両にひかれるなど、命を落とす危険性が非常に高いと言えます。

ワンポイントアドバイス
実は、後部座席でシートベルトを着用せずに交通事故に遭った場合、本人だけではなく前席の乗員が重症を負う可能性があります。自分以外の他者を傷つける恐れもあるため、後部座席であっても、気を緩めず、きちんとシートベルトを着用すべきです。

まとめ:交通事故の座席別死亡率には、シートベルト着用率が関係している

交通事故における座席別死亡率だけを見れば、後部座席が一番死亡率の高い危険な席であり、助手席が一番死亡率の低い安全な席と言えます。

ただし、後部座席の死亡率が他の席と比べて高くなる背景には、後部座席のシートベルト着用率が他の席と比べて低いことにありそうです。

後部座席のシートベルト着用率が他の席と比べて低い理由としては「かつて後部座席のシートベルト着用は義務ではなかったこと」、「一般道での後部座席のシートベルト非着用には、行政罰がないこと」が考えられます。

後部座席でシートベルトをしなかった場合には、「本人致命傷」や「本人車外放出」など、死亡につながる事態が起こりえます。

ワンポイントアドバイス
交通事故での座席別死亡率とその背景について考えると、後部座席をふくめ、どの席にすわっても、きちんとシートベルトを着用することが大切だとわかります。安全なカーライフのために、ぜひ一度、シートベルトの重要性を考えてみましょう。

座席別死亡率など、交通事故にお悩みの場合には弁護士に相談を!

座席別死亡率など、交通事故にお悩みの場合には、弁護士への相談をオススメします。

その理由は、本記事で主に見てきた、後部座席のシートベルト非着用での交通事故など、難解な態様の交通事故であっても、専門家として被害者の相談にのってくれるからです。

被害者であっても、シートベルト非着用では十分な賠償を受けられないことも!

本記事で見てきた、後部座席のシートベルト非着用での交通事故が、難解な理由を下記に述べます。

このケースでは、交通事故の被害者であっても、シートベルト非着用により被害が拡大した場合には、事故の相手方保険会社から「被害者に過失あり」と主張され、本来受けられるはずの賠償金から、過失ぶんの賠償金が差し引かれ、十分な賠償を受けられない場合があります。

実際、これまでの裁判例でも、

  • シートベルト非着用でタクシーの後部座席に乗車していた被害者に対し、急ブレーキで頚椎捻挫を負ったにも関わらず、10%の過失ありとした
  • シートベルト非着用でタクシーの後部座席に乗車していた被害者に対し、自損事故で鼻骨骨折や頚椎捻挫を負ったにも関わらず、5%の過失ありとした

などのケースがあります。

弁護士は交通事故の専門家

このような場合、素人には、もはや交渉も裁判もお手上げです。

しかし弁護士であれば、こうした事案でも、専門家としての法的知識と交渉力をもって、相手方保険会社と戦ってくれます。そして、被害者が過失割合を取られないように、あるいは過失割合を取られても、その割合が極力低くなるように努めてくれます。

座席別死亡率も含め、交通事故でお悩みの場合には、一度弁護士に相談してみましょう。今は、相談料や着手金を無料にしている弁護士も多いですし、気構えずに、弁護士事務所のドアを叩いてみましょう。一人きりで戦うよりもずっと有利な解決にたどりつけるはずです!

交通事故に巻き込まれたら弁護士に相談を
無料相談を活用し、十分な慰謝料獲得を
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交通事故の加害者が許せない
上記に当てはまるなら弁護士に相談