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任意整理ならバレない?家族へバレずに債務整理する方法

この記事で分かること

  • 債務整理の中では、任意整理がもっとも家族にバレにくい。
  • 債務整理の家族バレの原因の大半は、自宅に連絡が入ることと、書類が見つかること。
  • 家族による保証、裁判開始、財産差押えがあると、家族バレは避けられない。
  • 債務整理を弁護士に頼むことで家族バレを防げることが多い。

債務整理をしようとする人のいちばんの心配は、家族にバレることです。弁護士に債務整理を依頼することで家族バレを防げるケースがたくさんあります。債務整理をしようか迷ったら、まず債務整理に詳しい弁護士に相談するのが一番です。

家族にバレずに債務整理する方法は?

債務整理とは、たくさんの借金を抱えた人について、借金の金額を減らして、生活を立て直す手続をいいます。

債務整理をする債務には、借金のほかに購入代金債務なども含まれます。ただ、債務整理をする人のほとんどは、多額の借金を抱えた人です。この記事では、借金のケースに絞って、債務整理を解説していきます。

こうした債務整理は家族に知られずに行いたいものです。たくさんの借金のあることが家族に知れると、家族に隠れて何をしているのか怪しまれ、険悪な関係になってしまうからです。特にギャンブルで作った借金がバレると、大きな家庭内トラブルに発展しかねません。

債務整理でよく使われる任意整理・個人再生・自己破産という3つの手続を、家族へのバレやすさをもとに分けると、次のようになります。

任意整理は家族にバレにくい

  
任意整理は、家族にバレにくい債務整理といえます。理由は次の4つです。

裁判所から書類が送られて来ない

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉して借金を減らす手続です。裁判所から呼出し通知などが自宅に送られて来ない点で、家族にバレにくいといえます。

裁判所に出頭しないで済む

任意整理は裁判所での手続ではないので、裁判所へ出頭することはありません。出頭のために仕事を休んだことで家族から怪しまれ、バレてしまうということがないのです。

家族の収入や財産は問題とならない

任意整理は、家族の収入や財産は問題とせず、本人の収入と財産をもとに借金返済の計画を決める手続です。家族に収入や財産の聴き取りをしなくて済む分、バレにくくなります。

手続が短期間で終わる

任意整理は、3か月から6か月で終わるのが普通です。短期間で終わる分、家族にバレる確率が減ります。

家族にバレやすい個人再生・自己破産

 
個人再生と自己破産は、家族にバレやすい手続です。3つの理由が挙げられます。

裁判所から書類が送られて来る

個人再生も自己破産も裁判所での手続です。裁判所からの呼出し通知などの郵便が家族の目に触れ、バレてしまうことが考えられます。

裁判所に出頭しなければならない

裁判所に出頭するのは平日です。出頭のためにわざわざ平日に仕事を休むことで家族に怪しまれ、バレてしまう可能性があります。

家族の収入・財産を裁判所に伝えなければならない

個人再生や自己破産では、債務者が借金を返済していけるかどうかを裁判所が検討する資料として、本人の収入や財産だけでなく、家族の収入や財産も裁判所に伝えなければなりません。本人の収入や財産が少なくても、家族の収入や財産が多ければ、家族が肩代わりする形で借金を返済できる可能性があるからです。

裁判所に伝える情報を得るために債務者が家族から収入や財産を聴き取る際に、その理由を問われ、バレてしまうことがあります。
 

ワンポイントアドバイス
任意整理は家族にバレにくいとはいえ、素人が債権者と交渉することは、相手のペースで話が進んでしまうなど、危険を伴います。債務整理を考えるなら、どの手続にするかも含め、債務整理に詳しい弁護士に相談しましょう。

参考:家族に知られずに債務整理することは可能?まずは弁護士に相談を

家族に債務整理がバレるきっかけ

 
任意整理か個人再生・自己破産かを問わず、債務整理が家族にバレるとき、必ずきっかけがあります。ここでは、特に注意すべききっかけをいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

借金や債務整理の家族バレの大半は「連絡」か「書類」が原因

借金や債務整理が家族にバレるきっかけの大半は、関係者からの連絡、または借金や債務整理を匂わす書類です。

以下で具体例を挙げますので、こうしたことのないよう注意しましょう。
 

弁護士や司法書士からの郵便物でバレる

 
弁護士や司法書士からの郵便物でバレることがあります。

債務整理を弁護士や司法書士に頼んだ場合、弁護士などからの書類が債務者の自宅に郵送されます。差出人が「〇〇法律事務所」「△△司法書士事務所」となっている郵便物を見た家族から問い詰められ、債務整理がバレてしまうことがあります。

こうしたことのないよう、郵便物は事務所名でなく個人名で送ってもらうようお願いしておきましょう。

弁護士や司法書士からの電話でバレる

 
弁護士や司法書士からの電話でバレることもあります。

急ぎの連絡のため、弁護士や司法書士が債務者の自宅に電話をしたとき、たまたま家族が電話に出ることで、弁護士や司法書士が関わっていることを知られてしまいます。債務者は家族から問い詰められ、債務整理がバレることになるわけです。

連絡は債務者の携帯電話にのみしてもらうこと、いたし方なく自宅に電話するときは個人名を名乗ってもらうことを、弁護士や司法書士にお願いしておきましょう。

借金の利用明細や督促状が見つかってバレる

借金の利用明細や督促状が家族に見つかることも、債務整理がバレるきっかけです。

銀行や消費者金融などから借金の利用明細や督促状が郵送されることがあります。これを家族が容易に目に付く所にしまっておくと、奥さんが片づけものをしているときにたまたま見つけるなどして、借金がバレることとなるわけです。

借金の利用明細や督促状など借金バレのきっかけとなる物は、自分の自動車の中など、家族の目に触れにくい所に保管するようにしましょう。

生活費の支払いが滞ってバレる

生活費の支払いが滞ってバレる例もあります。

クレジットカードで生活費の支払いをしている場合に多く見られる例です。たとえば、家賃の支払いにつき、キャッシュレス決済の広がりに伴って、クレジットカードでの家賃支払いを取り入れる不動産会社が増えてきました。

借家人の借金が増え、家賃のクレジットカード決済に充てる資金の余裕がなくなり、家賃分のカード利用代金が引き落とされず、クレジット会社から郵送された督促状を家族が見ることで、多額の借金がバレることがあります。

また、家族で食事に行った際、カードで支払いをしようとしたら、カードが使えないと店員に言われ、疑問に思った家族から問い詰められてバレてしまうこともあるのです。

借金が増えたら、生活費をクレジットカードで支払わないようにすることが、こうしたことを招かないコツといえるでしょう。

住宅ローンや自動車ローンが組めなくてバレる

 
住宅ローンや自動車ローンが組めなくなれば、借金の家族バレは決定的といえるでしょう。

借金の不払いが続き、信用情報機関に「事故情報」として登録されてしまうと、いわゆる「ブラックリストに載った人」となり、新たにローンを組むことができなくなります。

特に住宅ローンや自動車ローンといった家族と関わりの深いローンが組めないと、家族に怪しまれることまちがいありません。

借金の返済が滞っている中で、自分の名前で住宅ローンや自動車ローンを組むことは、絶対にやめましょう。

生活態度でバレる

債務者の生活態度の変化がきっかけで、借金や債務整理がバレることもあります。

急に仕事を休む(裁判所に出頭する、弁護士事務所に行くため)、郵便物をやたらと気にする、常に携帯電話を持ち歩いている、自宅電話が鳴るとまっ先に出る、家族と顔を合わせようとしない、絶えずソワソワ・ビクビクしているといった態度です。

こうした債務者の身辺の変化をうかがわせる態度があると、家族から怪しまれ、きつく問いただされることで、借金や債務整理がバレてしまうことがあります。

むずかしいことですが、債務整理中はなるべく普段と変わらない態度をとることが大切です。

ワンポイントアドバイス
借金や債務整理がバレないようにすることは、家族によけいな心配をかけず、家庭の平穏を守ることでもあります。それには、家族バレを防ぐ態勢作りが大切です。バレそうになったときの対応も含め、債務整理についていつでも相談できる弁護士を味方に付けておきましょう。

債務整理の家族バレが避けられないケース

  
債務整理が家族にバレるきっかけを作らないよう一生懸命がんばっても、どうしてもバレてしまうケースがあります。

債務整理が家族にバレるのを避けられないケースを3つ紹介します。

家族が保証人になっている

 
家族が債務の保証人になっていると、債務整理の家族バレは避けられません。

債務整理がうまくいけば、借金が減り、債務者は楽になります。しかし、債権者からすれば、債務整理で減った分は返してもらえない貸付金となり、損をすることになります。

債務者に保証人がいると、債権者は保証人に対し、債務整理で減った分の借金の支払いを求め、損を穴埋めできます。債務整理は債務者本人の借金を減らすだけで、保証人の保証範囲を狭めるものではなく、保証人は引き続き借金全額を保証しなければならないからです。

家族が保証人だと、家族が支払いを求められます。その際、債権者は家族に対し、支払いを求める理由として、債務者が債務整理したことを話すでしょう。この時点で、債務整理したことが家族にバレてしまうわけです。

債権者が裁判を起こした

  
債務整理の手続中に、債務者が債権者から借金の支払いを求める裁判を起こされると、債務整理がバレてしまいます。

裁判の申立てを受けた裁判所は、債務者に、呼出状など裁判関係の書類を郵送します。それが家族の目に止まれば、債務者は事情を説明しなければなりません。事情のひとつとして、債務整理したことも説明しなければならなくなるわけです。

裁判所から財産を差し押さえられた

  
裁判所から債務者の財産を差し押さえられるようなことがあると、まちがいなく債務整理がバレてしまいます。

債権者が起こした裁判で債務者が負けたあとも借金を支払わないでいると、債権者の申立てにより、裁判所が債務者の財産を差し押さえ、財産を競売にかけ、買受人が裁判所に納めた買受代金から借金の支払いに充てる、強制執行という手続が行われます。

差押えられる財産は、債務者の家・家財・土地・自動車や給料などです。

給料が差押えられると、そのことを勤務先に知られてしまい、勤務先から家族に伝わる可能性があります。裁判所の執行官が家や家財などを差押えに来たら、家族にバレることは火を見るよりも明らかです。

ワンポイントアドバイス
家族に債務整理がバレてしまったら、下手な言い逃れをせず、債務整理することになった事情を正直に話しましょう。家族にとって不快なのは、家族の知らないところでコソコソと債務整理を進めることだからです。自分でうまく話せなかったら、弁護士に頼んで、債務整理が生活立て直しというポジティブな手続であることを、家族に対して上手に説明してもらいましょう。

家族に内緒で任意整理したいなら弁護士に依頼しよう

家族に内緒で債務整理をするなら、弁護士に依頼することをおすすめします。弁護士に依頼すると、次の4つのメリットがあり、いずれも家族バレを防ぐことにつながるからです。

  • 書類作成や交渉は弁護士が代行してくれる
  • 仕事を休まなくて済む
  • 債権者からの催促が来なくなる
  • 債権者との交渉を有利に進められる

それぞれについて解説します。

書類作成や交渉は弁護士が代行してくれる

弁護士に債務整理を依頼すると、書類作成や交渉は弁護士が代行してくれます。

書類関係や交渉は弁護士が一手に引き受けるので、裁判所や債権者からの書類や電話も、すべて弁護士のもとに行きます。債務者の自宅に書類や電話が来なくなるので、家族にバレることがなくなるのです。

債務者が、書類作成や交渉から解放された時間を使って自分の課題に取り組めることも、弁護士に依頼するメリットといえるでしょう。

仕事を休まなくて済む

債務整理を弁護士に依頼することで、債務者が仕事を休まなくて済むようになります。

書類作成・裁判所への出頭・債権者との交渉など、債務整理に必要な手続はすべて弁護士がしてくれるので、債務者が仕事を休んで取り組む必要がなくなります。

平日に仕事を休んで、何かの書類を作っていたり、どこかへ出かけて行ったりする姿を家族に見られ、怪しまれてバレるといったことがなくなるわけです。

債権者からの催促が来なくなる

弁護士に債務整理を依頼した時から、債権者からの催促が来なくなります。

依頼を受けた弁護士から債権者に「受任通知」という書類を送り、債権者がそれを受け取ると、法律により、債権者が債務者と直接交渉することが禁止されるからです。

債権者からの催促の郵便や電話が債務者の自宅に来なくなれば、郵便や電話がきっかけでバレるということがなくなります。

債権者との交渉を有利に進められる

債務整理を弁護士に依頼すれば、債権者との交渉を有利に進められるようになります。

債権者は債権回収のプロです。交渉の知識・テクニック・経験が豊かなので、素人の債務者がひとりで立ち向かっても、相手のペースで話が進むのが落ちです。

弁護士は法律問題についての交渉のプロです。債権者と対等に渡り合い、債務者に有利な方向に話を持って行っていくことが期待できます。

弁護士はスピーディーな解決を売りにしているので、交渉が有利に進むことは、交渉が早く進むことでもあります。交渉が早く進み、債務整理が早く終われば、家族にバレる確率も減るわけです。

ワンポイントアドバイス
債務整理を弁護士に頼むことは、家族バレを防ぐ一番の方法です。弁護士への報酬などお金はかかりますが、債務整理が家族にバレて家庭内トラブルにならないようにすることへのコストと考えれば、決して過ぎた出費とはいえないでしょう。

家族にバレない債務整理は弁護士に相談を

ここまで、債務整理を債務者がひとりで進めるより弁護士に頼んだ方が負担が少なく、進行もスムーズで、家族にもバレにくいことをお話ししてきました。

債務整理は、任意整理・個人再生・自己破産どれをとっても、専門知識と実務経験がものをいう手続です。こうした専門知識と実務経験を持ち合わせた専門家こそが、弁護士です。

たくさんの借金をかかえ、債務整理を進めたいと考えたら、まず債務整理に詳しい弁護士に相談しましょう。

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