マルチ商法は誰でも被害にあう可能性がある? 勧誘方法と被害を知ろう

この記事で分かること
  1. 商品が売れない、新規会員を獲得できないでは逆に金銭的な被害をこうむる。
  2. マルチ商法の謡い文句「絶対に損しない」「簡単に収入が得られる」に注意。
  3. マルチ商法のクーリングオフは20日間以内。

組織の会員になって、商品やサービスを知人に販売したり、勧誘することで売り上げをあげるマルチ商法で儲かるのは、ピラミッド構造の上層部の人たちばかりです。後から入会した人は儲からない仕組みになっていると心得て、被害を被るないように注意しましょう。

マルチ商法の勧誘方法

マルチ商法とは「連鎖販売取引」の通称で、ネットワークビジネスと呼ばれることもあります。マルチ商法自体は違法ではありませんが、組織が大きくなるにつれて問題が起こりやすい取引形態のため、特定商取引法のもとで一定の規制が課せられています。

マルチ商法とは

マルチ商法は、商品・サービスを販売する組織の会員になって、友人・知人に商品を販売したり会員に勧誘して売り上げを得ていく商法です。多くの利益を得るには販売・勧誘する相手を増やす必要があり、組織はピラミッド構造で拡大していきます。

マルチ商法の典型例

マルチ商法の商材で多いものは、化粧品・美容器具・健康食品です。事業への投資を持ちかけるケースもあります。組織の会員になると商品・サービスを販売できるようになりますが、まずは商品の仕入れで代金を支払わなくてはなりません。そこで経費を回収し利益を上げるために、新たに会員を勧誘して紹介料を得ようと活動するのです。この流れが繰り返され、組織がどんどん大きくなっていきます。

マルチ商法とネズミ講の違い

ネズミ講は法律で禁止されている商法です。組織がピラミッド構造になっている点はマルチ商法と同じですが、大きな違いは扱うものが商品か金品かという点です。ネズミ講はお金を払って組織に入り、複数の新規会員を紹介することで当初の支払額以上のお金を受け取れるという仕組みになっています。

マルチ商法の勧誘方法

マルチ商法の勧誘者は「マルチ商法を紹介したい」とは言いません。ただの遊びや食事の誘いがあり、会ってみると勧誘だったというケースが多いのです。マルチ商法のターゲットになりやすいのはどんな人で、どのように勧誘されるのでしょうか。

ターゲットと勧誘の流れ

マルチ商法のターゲットになりやすいのは、若者や主婦などが多いと言われますが、実際は社会で生活する人なら誰にでも起こりうることです。すでに組織に加入している人がターゲットと2人で会って加入をもちかけ、後日「紹介したい人がいる」「すごく儲けている人に会わせたい」などと言って先輩会員と引き合わせます。そして複数人でターゲットを熱心に勧誘し、セミナーに誘導して組織に入らせるのです。

謳い文句

マルチ商法でよくある謳い文句は、「絶対に損しない」「簡単に収入が得られる」といったものです。組織に加入した場合のメリットとして「空いている時間にできるビジネス」「いっぱい勧誘すれば自分が働かなくても収入が入ってくる」「月収○百万円の人もいる」といった言葉も使われます。

ワンポイントアドバイス
マルチ商法は、遊びや食事の誘いなどから勧誘されるケースが多くみられます。「簡単に収入が得られる」「すごく儲けている人に会わせたい」といった甘い謳い文句で誘ってくるので、冷静になりましょう。

マルチ商法の被害について

マルチ商法は、仕入れた商品が売れなかったり新規会員を獲得できなければ、金銭的な被害をこうむります。さらに怖いのは、周囲の人との人間関係まで崩れてしまい、精神的に大きなダメージを引きずってしまうことです。

マルチ商法の金銭的な被害

マルチ商法のピラミッド構造の組織で利益を得ることができるのは、上層部の一握りの人だけです。勧誘時に聞かされた話のようにトントン拍子で儲かることはほとんどありません。ひどい場合は借金を背負わされることまであるのです。

ほとんど儲からない

マルチ商法に手を出す人のほとんどは、営業の素人です。顧客を新規開拓したり、販売・契約に結びつけるのは簡単なことではありません。知人・友人に声をかけても断られ、行き詰まってしまう人が多いのです。また、投資話の場合は、最初は配当が振り込まれるので安心したものの数ヶ月後には振り込みがストップし、損失になってしまったというケースもあります。

消費者金融から借金をさせられた

商材を仕入れる資金が不足している場合は、紹介者が消費者金融からの借金をすすめてくることがあります。「借金してもすぐに借りた額以上に儲かるので問題ない」と話して安心させるのです。しかし販売や勧誘はなかなかうまくいかないため、大量の在庫と借金だけが残り被害者の頭を悩ませることになります。

マルチ商法は人間関係も壊す

マルチ商法は人と人の繋がりで成り立っている商法です。振り込め詐欺など赤の他人に騙される詐欺と違って紹介者が知人・友人なので、トラブルになった時のショックは大きいものです。また他の人をトラブルに巻き込み自分が加害者になってしまう可能性もあります。

紹介者に裏切られる

マルチ商法の勧誘では、入会に結びつけるために紹介者が嘘の説明をするという問題が多発しています。また、嘘はついていなくても、利益を得ている会員の例だけを示し、実際は多くの会員は儲かっていないという事実を隠すこともあります。これらの行為は特定商取引法で禁止されています。

自分が加害者になってしまう

一度マルチ商法に足を踏み入れてしまうと「友達をなくす」とよく言われますが、嫌われるだけで終わればまだましです。安易に知人・友人を入会させれば、相手に金銭的・精神的な被害を与えてしまい、自分も加害者になってしまうのです。マルチ商法で身近な人との関係が破綻するケースは少なくありません。

ワンポイントアドバイス
マルチ商法に足を踏み入れてしまうと、自分が被害にあうだけでなく、友達や知人にまでも迷惑を及ぼす危険性があります。営業の素人が手を出しても、簡単には儲からないと心得て騙されないように気をつけましょう。

マルチ商法の被害を防ぐ方法、抜ける方法

法律で禁止されていいないとはいえ、マルチ商法に安易に手を出すのは危険です。マルチ商法のトラブルに巻き込まれないためにはどうすればいいのでしょうか。また、もし断りきれずに入会してしまった場合、抜ける方法はあるのでしょうか?

マルチ商法の被害に遭わないために

マルチ商法の勧誘は友人・知人など身近な人からもちかけられます。つまり、人付き合いの中で生きていれば、誰にとっても自分の身に起こりうる問題なのです。勧誘は思いがけないタイミングで始まります。いざという時にどう対処すればいいか説明します。

親しい人の誘いでもきっぱり断る

マルチ商法に勧誘されていると気づいても、「仲の良い友達だから」「お世話になっている親族だから」「逆らえない先輩だから」と相手との人間関係が頭によぎると、断る勇気が出ないかもしれません。しかしどんな相手でも、受け入れられない話はきっぱりと断ることが大切です。「その商品は自分には合わない」「勤務先が副業禁止」などの理由をつけて明確に意思を示しましょう。

甘い言葉を信じない

マルチ商法の勧誘は、「確実に儲かる」「絶対に損はしない」といった断定的な表現で入会のメリットを強調してきます。また、成功している先輩会員の話を聞かせたり、経済的な成功に関する著名な本を紹介して、聞く人に期待を抱かせます。しかし、組織の末端の会員はほとんど成果が上げられないというのがマルチ商法の現実です。勧誘の甘い言葉を安易に信用しないようにしましょう。

マルチ商法から抜けるにはクーリング・オフや中途解約

マルチ商法の組織に入会してしまっても、抜けたい時はクーリング・オフを利用すれば違約金や損害賠償金を払わずに済みます。また、中途解約も可能です。泣き寝入りせずにしかるべき対処をとって被害を最小限に食い止めましょう。

クーリング・オフは20日以内

クーリング・オフは消費者を守るために作られた制度で、所定の期間内なら消費者が無条件で一方的に契約を解除できます。クーリング・オフの期間は、契約の書面を受け取った日から起算します。期間の長さは、訪問販売や電話勧誘販では8日以内ですが、マルチ商法の場合は20日以内と長めに設定されています。

中途解約も可能 不当に高い損害賠償金は無効になる

契約書面を受け取ってから20日を過ぎてしまった場合も、中途解約や契約の取り消しをすればマルチ商法から抜けられます。なかには契約書に高額な違約金や損害賠償金の規定があるため会員が中途解約に踏み出せないケースもありますが、法律で上限が定められているため不当に高い金額を請求される心配はありません。

ワンポイントアドバイス
マルチ商法のクーリングオフは、20日間以内です。また、契約から20日間過ぎてしまっても、中途解約をすることも可能です。たとえ、高額な違約金や損害賠償金がかかる旨が契約書に書かれていても、法律で上限が決められています。

マルチ商法にひっかかったかな?と思ったら弁護士に相談

マルチ商法は金銭的被害だけでなく人間関係まで破綻させるのが怖いところです。マルチ商法に勧誘されるケースは意外と多く、気づかないうちに巻き込まれてしまったり、自分が加害者になってしまったりすることもあります。「マルチ商法から抜け出したい」「在庫をかかえてしまい困っている」「金銭的なトラブルに陥った」など、マルチ商法でトラブルに巻き込まれてしまったら、ひとりで悩まず、消費者問題に強い弁護士に相談して解決を目指しましょう。

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